郡 千 寿 子 (KOHRI Chizuko)


 略歴・業績等

 1965年生まれ。武庫川女子大学文学部国文学科卒業。武庫川女子大学大学院、同助手を経て、1999年に弘前大学へ。文学修士(1990年、武庫川女子大学)、文学博士(2009年、武庫川女子大学)。

研究の概要
○言語の断面(共時)と流れ(通史)の研究。ことばの変化過程を社会や生活環境との関係からとらえなおした、言語文化誌的研究。
○鎌倉室町期の国語文献資料である抄物研究。
○社会教育文化資料である江戸時代版本の往来物研究。

キーワード
言語学 日本語史 語彙 文字表記 言語文化 方言(地域語)

著書・主要論文
○『日本国語大辞典 第2版 1〜13巻』(小学館、1999〜2002年)
○『真字本 方丈記 影印・注釈・研究』(共著書、和泉書院、1994年)
○パジェス『日仏辞書』における「Coi(恋)」−日本語受容の様相について−(『日本語辞書研究第3輯』2005年)
○漢字か平仮名か片仮名か−『方丈記の文体』−(『表現と文体』明治書院、2005年)
○Validation of the Japanese Society for Surgery of the Hand version of the Disability of the Arm,Shoulder,and Hand questionnaire (Journalof Orthopaedic Science,2005,10:353-359)
○「暴風」から「疾風」へ−表記と語義の相関性−(『国語語彙史の研究二十五』2006年)

所属学会
日本語学会 中世文学会 全国国語国文学会 国語語彙史研究会

 主な担当授業科目

○言語学の基礎
言語学とは、言語の科学、ことばの科学と呼ばれることがあるように、「ことば」に関する様々な事象が研究対象となります。人間のことばの仕組みを理解し、言語学的見地から考察検討を加えられるように研究基礎を学びます。世界に数ある言語のなかにおいて、日本語がどう位置づけられるのか、日本語の特色とは何か、などについて意味論・語彙論・文法論・文字表記論などのテーマ別に概説します。「ことば」を少し意識して考えてみると、理路整然とした秩序が見いだせたり、また不思議な現象が存在することに気づきます。身近なことばを題材に、なぜ?と問いかけ、どのように対処し、どのように運用していくべきか、その思考力や方法論を提供します。

○日本語学特論
『徒然草』を題材として、日本語学的諸問題および、社会との関係性について考察検討を試みます。文学的な解釈に重点をおくのではなく、日本語中世期の言語事象や当時の文化、社会状況への理解を通して、現代日本語や現代社会を再考することをすることを目的としています。テキストは、江戸時代の烏丸光広による書写本『徒然草』。影印本を使用して、古典作品の薫りに触れ、くずし字読解にも挑戦します。『徒然草』のおもしろみは、高校の古典教科書などでは決して扱われない章段にみられ、そうした段に現れた、兼好の思想や人間洞察力が、意外にも現代社会にも密接に関連づけて考えることが可能であることを講義します。『徒然草』という古典作品を通して、過去の言語を学びつつ、現代の社会や文化についての受講者自身の考え方が問われます。

○日本語学演習
「国語辞典」を一度も使用しないことがない人はいないでしょう。ことばを知るときに最も頼りとなる辞書ですが、辞書によってことばの定義や意味の違いがあることについては、あまり注意が払われていません。私たちの生活の中で身近な存在である「辞書」を題材として「ことば」について考えてみます。たとえば「恋」は、万葉集では「孤悲(こひ)」と表記され、「ひとりでいると悲しくせつない気持ち」をその漢字表記が表現していました。明治期には「LOVE」の翻訳語として「恋愛」という新造語が誕生しています。ことばは、時代や社会、生活のなかに生きているものであり、普遍ではありません。ひとつのキーワードを設定し、多角的な視点−時代・生活様式・外国文化との接触−から、言語の成立や変化過程について考察検討していきます。

 自己紹介

1、趣味  食べ歩き…。お出かけや旅行は、名所旧跡をめぐるというより、現地の「おいしいもの」が目的の場合がもっぱらです。おいしいお店、おすすめの食べ物、などの情報をお知らせください。それから、ケーキ作りも趣味です。評判がいいのは、アップルパイとチーズケーキでしょうか。仕事で疲れていても、夜中に気分転換にお菓子を焼いたりします。オーブンから甘い香りが漂ってくると幸せな気持ちになります。

2、特技  特にありません。青森から奈良までひとりで愛車を運転して帰省したことで、少しは運転技術に自信がついたかもしれませんが、これは特技とはいえないでしょうし。ちなみに各地の名産品を食べながらのとってもおいしい旅でした。

3、休日の過ごし方  休日その日より、前日の深夜をウキウキ気分で過ごします。思いっきり夜更かしできるので、日頃はほとんどつけない(見ない)テレビで、映画を観るか、本を読みながら明け方まで…。休日は、洗濯と掃除、買い物(ほとんどが食材)といった家事で一日が終わります。気が向けば、手の込んだお料理を作ることもあります。

4、何かひとこと  自分では「共通語」でしゃべっているつもりなのに、「関西の方ですね」とすぐ見破られてしまいます。私の「共通語」は完全に「関西弁」らしい…。方言を取り扱う授業では、それぞれが自身の体験を踏まえて語り合い、学生達とはかなり盛り上がります。ことばはもちろんですが、弘前に赴任以来、日本の「東」と「西」のいろいろな文化の違いを実感しつつ、刺激的に楽しく毎日を過ごしています。

E-mail:chizuko@cc.hirosaki-u.ac.jp