2009.6.10 -

教育力向上プロジェクト(ラボバスプロジェクト)

弘前大学教育学部

 本事業は、弘前大学と青森県との包括協定の下、青森県教育委員会等と連携して、下北・三八地域等の遠隔地も含めた県内各地の教育現場において、学部独自の移動教室用実験バス(ラボ・バス)を活用し、児童・生徒に「学び」の楽しさを伝えるとともに、現職教員等に対する研修の場の提供、教員を目指す本学学生の多様な教育実践の場とすることで、青森県全体の教育力向上を目指すものです。

 また本事業は、単に県内各地への移動教室の実践だけではなく、インターネット環境の整備により、ラボ・バスを活用した遠隔地での授業や研修の内容を、他地域の教育委員会の研修施設や教育学部附属学校園において視聴し、あるいは大学および附属学校園での授業をインターネットにより県内各地の教育現場で視聴しながら、双方向の議論を実施できるような取り組みも視野に入れて、現在、検討中です。

 昨年度は、いくつかの授業を各地で試行的に実施し、21年度より、継続的な本格実施を行います。

弘前大学教育学部総務グループ(0172-39-3316)


平成21年度 教育力向上プロジェクト 事業実施計画一覧

No.プロジェクト名対象概要担当教員
(担当講座)
1 理科(物理)実験講座 小・中・高等学校・理科教員研修等  物理実験をメインにした理科実験講座。主に高校物理の教科書の内容に関連するものであるが,中学校、小学校でも対応可能。具体的には,例えば光の二重性(波動性と粒子性),レーザーとフォトンカウンターを使って光の粒子性を確かめる実験、万有引力実験器を使った実験等を計画している。 山本逸郎
東徹
佐藤松夫
(理科教育講座)
2 いろいろな成分を探りだそう 小・中・高等学校・理科教員研修等  普通の小中高等学校にはない測定装置を用いて、身近にあるものの成分調べる実験を行う。具体的には以下のようなものを計画している。
    (1)河川水の成分測定
    (2)食品中の成分測定
    (3)大気中の成分測定
長南幸安
(理科教育講座)
3 合成実験をしてみよう 小・中・高等学校・理科教員研修等  普通の小中高等学校にはない合成装置を用いて、機能性材料や薬など我々の生活に役立っているものの合成実験を行います。具体的には以下のようなものを計画している。
    (1)アスピリンなどの薬を作ってみよう
    (2)染料・色素を作ってみよう
    (3)機能性材料を作ってみよう
    (4)アモルファスを作ってみよう
    (5)超伝導物質などの無機材料を作ってみよう
長南幸安
(理科教育講座)
4 物質の性質を調べてみよう 小・中・高等学校・理科教員研修等  普通の小中高等学校にはない測定装置を用いて、機能性材料や薬など我々の生活に役立っている物質の性質を測定します。具体的には以下のようなものを計画しています。
    (1)赤外線を測ってみよう
    (2)光を測ってみよう
    (3)気体の性質を測ってみよう
    (4)液体の性質を測ってみよう
長南幸安
(理科教育講座)
5 生物を観察してみよう 小・中・高等学校・理科教員研修等  普通の小中高等学校に置いてある光学顕微鏡では見られない世界を見ることができます。学校に置いてある光学顕微鏡は、透過型なので生物の構造をはっきりと見るためには染色という操作を施す必要があります。染色の操作を施すことで、生物を加工した形で観察することになり、正確とはいえません。この微分干渉顕微鏡は、通常染色が必要な生物組織でも、染色せずにそのまま観察することが出来ます。これにより生物本来の細胞や組織を観察することが出来ます。 大明史
佐藤崇之
岩井草介
(理科教育講座)
6 EDXで色々な元素を探ろう 中学校・高等学校  走査型電子顕微鏡(SEM)に装着されたEDX(エネルギー分散型X線マイクロアナライザ)を用いて,様々な物質に含まれる元素の種類や量を調べます。具体的には以下のようなものを計画している。
    (1) 都市鉱山にレアメタルを探せ!
    (2) 温泉が運ぶ資源〜恐山の温泉沈殿物を調べる〜
    (3) 海の水はなぜしょっぱい?〜風化のはたらき〜
    (4) 生物が集める元素
植田勇人
(理科教育講座)
7 電子顕微鏡で探るミクロの世界 小・中・高等学校・理科教員研修等  植物や昆虫,岩石,電子部品などを走査型電子顕微鏡(SEM)で最大10000倍まで拡大して観察します。工業,バイオなど様々な分野で使用されるSEMに触れるとともに,通常の顕微鏡では見えない自然の精巧なつくりや,精密な電子工学技術の成果を観察できます。花粉や気孔,昆虫,泥岩中の微化石,集積回路などから題材を選んで観察します。生徒の持ち込み試料を観察することも可能です(要事前打合せ)。 植田勇人
(理科教育講座)
8 楽器今昔物語 小学校  学校の体育館等での音楽教室(楽器紹介や演奏を含む)を開催し、(1)学生による古・現代の楽器を使用した管楽器アンサンブルや比較演奏、(2)教員による声楽とピアノのデュオ演奏及びデジタル楽器の伴奏による大合唱、教員と学生による生徒達に身近なトイピアノやリコーダーを使った作品発表を行う。 和田美亀雄
浅野清
(音楽教育講座)
9 レーザー加工及び樹脂造型装置を用いた3DCG教育の可能性 中学校教員  CG画面内に形成された図、絵、表等が木材、樹脂等に彫刻されていき新たな表現方法を生み出す課程や、CG画面内に形成された3DCG造形物が樹脂を用いて立体表現されていく様子を研修し、新たな授業実践に結びつけていく研修を行う。 石川善朗
(美術教育講座)
10 伝統工芸と最新技術を学ぶ 高等学校  「津軽の心と技」デザイン創世・伝承事業の一環として青森県中南地域県民局と合同で、伝統技術と最新技術の融合を探るデザイン開発の研修を行う。美術教育講座在籍の学生と共に高校生向け教科教育の可能性を探る。 石川善朗
(美術教育講座)
11 最新の工業デザインを試作品作成の過程から学ぶ 中学校  コンピューターグラフィックスを利用したデザイン考案から試作品完成までのデザイン開発の課程を体験する。さらにレーザー彫刻装置により、主に木材、樹脂の高度な線彫り、切断、彫刻作品の作成方法を視覚的に把握する。3次元の立体に関しては実際のコンピューター操作と樹脂造形装置の連動を学習し、試作品作成の主流であるラピットプロトタイピング技法について学ぶ。 石川善朗
(美術教育講座)
12 小学校における簡単なCG作成法と最新造型方法の授業実践 小学校  高学年生向けに、工業製品の誕生する課程を製品考案から試作品の完成までに焦点を絞って、平易な語句を用いて解説すると同時に、実際の作成機器を用いて目で見て、手で触れる授業を行う。図画工作の工作的側面について、現在一般的に行われている高度な造形を、3次元造形装置を用いて理解させる。 石川善朗
(美術教育講座)
13 芸術表現と音の科学に関する教育力向上プログラム〜グラスハープの演奏と音に関する実験学習〜 小・中学校  グラスハープ(ワイングラスを濡れた指で擦ることによって音を出す楽器)をもちい、音に関する体験的な科学実験と演奏会をおこなう。 冨田晃
(美術教育講座)
14 スポーツ科学の基礎「体を探り、測る」 高等学校  スポーツ科学を専攻する高校生を対象に、最新鋭の実験機器を持ち込み、身体組成、呼吸循環機能、筋神経系機能に関するスポーツ科学の授業を実施する。1回の授業は「講義」「実験」「演習」の形式から成り立ち、それぞれの実験項目についてスポーツ生理学的基礎を学習した後に実験に取り組む。基本的に実験は対象となる40名全員が測定者・非測定者になるような内容を準備しており、自身のデータについて実験後分析をする。実験後の演習では、ワークーシートを完成することにより実験データの評価の方法や分析の方法、評価・分析結果の解釈等が可能になる他、実際のトレーニング方法等の実技学習も適宜取り入れる。なお、1年生では基礎的内容を、2年生では応用的内容を実施する。 戸塚学
(保健体育講座)
15 サッカーのインサイドキック・インステップキックの正しいフォームとその指導について 中・高等学校・教員等  サッカーのキックについては、多くの指導書に間違った記述があり、癖のあるキックを習得している選手が多い。ビデオによって正しいキックの理論と陥りやすい間違いを理解した上で、実際の指導を行うとともに、フォームを撮影して分析する。それによって、間違いを実感してもらえれば今後の指導に役立つと思われる。 麓信義
(保健体育講座)
16 ネット・ケータイと情報モラル・サイトの探索と構築 小・中・高等学校・教員研修・PTA等  パソコン、携帯電話、CCDカメラ等を活用し、教室に「インターネット空間」を構築し、ネット媒体である「掲示板」「プロフ」「SNS」「出会い系サイト」等を、疑似体験を通して学び、その利便性と共に危険性を身をもって体験する。 大谷良光
(技術教育講座)
17 コンピュータ制御機器・生産システムの学習 小・中・高等学校・教員研修・PTA等  大谷の研究プロジェクトチームが開発した「自動簡易言語オートマ君」と関係機器により、教師も子どもも楽しくわかる制御学習が展開できる。 大谷良光
(技術教育講座)
18 鉄を利用したナイフづくりにより刃物の利便と安全の学習 小・中・高等学校・教員研修・PTA等  児童・生徒は、製鉄の北限であった青森で炭素鋼を素材としてナイフをつくり、刃物の利便性と安全性を体験を通して学ぶ事ができる。 大谷良光
(技術教育講座)
19 タイムエイド製作教室 盲聾養護学校教員等  自閉症児・者の時間管理に有効とされる「タイムエイド」の製作教室を開催する。製作に要する時間は2時間程度で、小山・梅村・補助者がその指導に当たり、その後、梅村が利用方法の指導を行う。 小山智史
(教育実践総合センター)
梅村博之
(附属特別支援学校)
20 まちづくりシャレットワークショップ     北原啓司(家政教育講座)
21 模擬裁判員裁判体験による法教育入門 中学校・高等学校  中学校社会科および高等学校公民科(現代社会、政治経済)における法に関する教育・学習を現実の法制度に即して展開することにより、知識面での習得にとどまらず、法の在り方を考える主体的態度と実際生活の中で活用する技術をも体得する。平成21年5月に施行された裁判員裁判制度を踏まえ、生徒自身が刑事裁判の当事者を演じうロールプレイの手法を用いて法の適用の実際を体験的に理解する授業を展開する。 宮崎秀一(社会科教育講座)


平成21年度 教育力向上プロジェクト実施状況

7. 電子顕微鏡で探るミクロの世界

担当教員:植田勇人(理科教育講座)
対象:弘前大学教育学部附属中学校生徒

実施日時会場資料等
2009年6月24日 弘前大学教育学部附属中学校  

8. 楽器今昔物語

担当教員:浅野清・和田美亀雄(音楽教育講座)
対象:小学校児童

実施日時会場資料等
2009年6月4日 弘前市立西小学校  
2009年6月4日 弘前市立城西小学校  
2009年10月30日 中泊町立小泊中学校  

実施風景(2009.10.30)


13. 芸術表現と音の科学に関する教育力向上プログラム〜グラスハープの演奏と音に関する実験学習〜

担当教員:冨田晃(美術教育講座)
対象:小学校児童(高学年)

実施日時会場授業の流れ
2009年9月18日 弘前市立千年小学校
  1. デモ演奏
  2. 音の不思議
    • 観察しよう。
      グラスに水を入れて指で擦ってみる。気がついたことを発表。
    • グラスの縁にモールを置いて、鳴らしてみる。
    • グラスの大小で、どう変わる?
    • 水の量で、どう変わる?
    • 共振現象
    • 共鳴現象
    • 音の高さを合わせてみよう
  3. 一人一音演奏会

実施風景

14. スポーツ科学の基礎「体を探る、測る」

担当教員:戸塚学(保健体育講座)
対象:八戸西高等学校 スポーツ科学科2年生 40名

実施日時授業内容資料等
第1回
2009年6月11日
スポーツ科学の基礎 −体を探り、測る−
5時限目(講義)(45分)
○4回の授業概要について
○心臓の構造と機能
○心拍数測定方法の説明
6時限目(実験)(45分)
○Yo-Yo testsにおける心拍数の測定
7時限目(演習)(45分)
○運動と心拍数の関係(Yo-Yo tests中の心拍数の解析)
○最大酸素摂取量の推定
○心拍数のトレーニングへの活用方法
 
第2回
2009年6月18日
有酸素性作業能力の測定とトレーニング
5時限目(講義)(35分)
○有酸素性作業能力の理論と実際
○有酸素性作業能力(PWC150)の測定方法の説明   
6時限目(実験)(70分)
○PWC150の測定(エアロバイク10台)
○超音波診断装置による上腕皮脂厚、筋厚の撮影
7時限目(演習)(30分)
○スポーツ種目と有酸素性作業能力についての分析
○Yo-Yo testsの結果(推定最大酸素摂取量)との比較検討
 
第3回
2009年6月26日
筋力の測定とトレーニング
5時限目(講義(45分)
○筋肉の構造と機能
○筋力トレーニングの科学的基礎
○大腿四頭筋厚・等尺性膝伸展筋力の測定方法の説明
6時限目(実験)(55分)
○脚伸展等尺性脚筋力の測定
○大腿周径囲と大腿四頭筋厚の測定
7時限目(演習)(35分)
○身長・体重、大腿周径囲と筋力の関係についての分析
○筋肉量・筋厚と筋力の関係についての分析
 
第4回
2009年7月9日
無酸素性作業能力の測定とトレーニング
5時限目(講義)(40分)
○無酸素作業能力の理論と実際
○最大無酸素性脚パワーの測定方法の説明
6時限目(実験)(40分)
○最大無酸素性パワーの測定(Power max V)
7時限目(演習)(40分)
○スポーツ種目と無酸素性作業能力についての分析
○4回の授業のまとめ
 

実施風景(2009.6.11)

実施風景(2009.7.9)
対象:八戸西高等学校 スポーツ科学科1年生 40名

実施日時授業内容資料等
第1回
2009年10月13日
スポーツ科学の基礎 −体を探り、測る−
5時限目(講義)(45分)
○4回の授業概要について
○心臓の構造と機能
○心拍数測定方法の説明
6時限目(実験)(45分)
○種々の身体活動・運動中の心拍数の測定
7時限目(演習)(45分)
○身体活動・運動中の心拍数の変化の分析
 
第2回
2009年10月20日
有酸素性作業能力の測定とトレーニング
5時限目(講義)(35分)
○有酸素性作業能力の理論と実際
○有酸素性作業能力(PWC150)の測定方法の説明   
6時限目(実験)(70分)
○PWC150の測定(エアロバイク10台)
7時限目(演習)(30分)
○PWC150の評価 ○運動負荷と心拍数の関係についての分析
 
第3回
2009年10月27日
身体組成 −筋肉と体脂肪−
5時限目(講義(45分)
○身体組成とは
○筋肉の構造と機能
○体脂肪率、皮下脂肪厚の測定方法の説明
6時限目(実験)(60分)
○体脂肪率の測定(体脂肪計)
○皮下脂肪・筋厚の測定(超音波画像診断装置)
7時限目(演習)(30分)
○体脂肪率の評価
○皮下脂肪分布の分析
○除脂肪体重の評価
 
第4回
2009年11月4日
体力トレーニングの実際
5時限目(講義・実技)(45分)
○体力トレーニングの理論的基礎(講義)
○ストレッチングの種類と活用法(実技)
6時限目(実技)(30分)
○スピードトレーニング
○パワートレーニング
○ボディバランス・トレーニング
7時限目(講義・実技)(60分)
○ウエイト・トレーニングの理論的基礎(講義)
○ウエイト・トレーニング実技(実技)
 

実施風景(2009.10.20)

16. ネット・ケータイと情報モラル・サイトの探索と構築

担当教員:大谷良光(技術教育講座)
対象:教員免許状更新講習受講者

実施日時会場資料等
2009年8月20日 青森中央学院大学  

19. タイムエイド製作教室

担当教員:小山智史(教育実践総合センター)
梅村博之(附属特別支援学校)
対象:県内の盲聾養護学校教員

実施日時会場参加人数資料等
第1回
2009年7月25日
弘前大学教育学部附属特別支援学校17名 案内概要製作ガイド
第2回
2009年9月18日
青森県立八戸第一養護学校38名 案内概要製作ガイド
第3回
2010年1月13日
青森県立むつ養護学校26名 案内概要製作ガイド

実施風景(2009.7.25 附属特別支援学校)

実施風景(2009.9.18 八戸第一養護学校)

実施風景(2010.1.13 むつ養護学校)

20. まちづくりシャレットワークショップ

担当教員:北原啓司(家政教育講座)
対象: 

実施日時会場資料等
2009年8月19日・23日 黒石市こみせんホール  

21. 模擬裁判員裁判体験による法教育入門

担当教員:宮崎秀一(社会科教育講座)
対象:中学校・高等学校生徒

実施日時会場内容
2月19日平内町立小湊中学校 (1)附属中学校における実習等において模擬裁判を取り入れた経験をもつ学生を裁判長、被告人、検察官、弁護人など主要な役に配する一方、生徒にも裁判官、裁判員、検察官、弁護人を演じさせる。

(2)その際、人定質問、黙秘権告知、起訴状朗読、証拠調べなど可能な限り、現実の裁判手続に準じた過程を踏むことにより、刑事裁判における正義の実現と基本的人権の尊重の考え方に気づかせる。

(3)シナリオは予め用意しておくが、有罪・無罪、有罪の場合の量刑、執行猶予の有無については裁判官と裁判員の評議・評決により生徒自身に判決を出させる。

(4)模擬裁判の前後に、弁護士または大学教員が、近年の司法制度改革の概要とその根底にある法の形成・実現における国民の主体性について解説する。

3月 4日青森市立荒川中学校
3月 9日青森県立西高等学校
3月16日今別町立今別中学校
実施風景(2010.3.4 青森市立荒川中学校)

下北地域とインターネットで接続(2010.1.13)

むつ養護学校に到着 インターネットで弘前大学と接続
弘前大学から学部長挨拶 附属特別支援学校からの報告