特別支援学校との連携

小山 智史(教育実践総合センター)
村川 圭亮(青森県立むつ養護学校)

■ タイムエイド製作教室

附属特別支援学校では、自閉症の子どもたちが時間の見通しを持った活動ができるよう、市販のタイマーを使って支援してきた。
しかし、子どもの実態に応じて細かい時間の設定が難しいことから、利用できる活動場面が限られていた。

そこで、同校教員(2008年当時)の白石と梅村(いずれも現在は県立学校教員)が

などの特徴をもつタイムエイドが必要と考え、梅村・小山が新規に開発した。

スケッチ タイムエイド
(a) 梅村による初期のスケッチ (b) 開発したタイムエイド (c) 利用風景

附属特別支援学校での利用状況が良好であったことから、製作教室を開催することとした。

日時会場参加者
第1回
2009年7月25日 13:30〜
弘前大学教育学部
附属特別支援学校
附属特別支援学校、弘前第一養護学校、弘前第二養護学校、浪岡養護学校、黒石養護学校、七戸養護学校、むつ養護学校の教員および福祉施設職員 計17名
第2回
2009年9月18日 17:00〜
青森県立八戸第一養護学校 八戸第一養護学校、八戸第二養護学校、八戸盲学校、八戸聾学校、七戸養護学校の教員 計38名
第3回
2010年1月13日 9:30〜
青森県立むつ養護学校 むつ養護学校、むつ中学校、脇野沢中学校、大湊中学校、下風呂小学校、易国間小学校、城ヶ沢小学校、第一田名部小学校の教員 計26名
第4回
2011年7月28日 13:30〜
青森県立七戸養護学校
(サテライト会場 富山県立黒部学園)
七戸養護学校、富山県立にいかわ総合支援学校(サテライト参加)、福祉施設職員 計35名

第1回 附属特別支援学校

第2回 八戸第一養護学校

第3回 むつ養護学校

第4回 七戸養護学校

(サテライト会場 富山県立黒部学園)

会場校の教員だけでなく、近隣の小・中・養護学校や福祉施設の職員も多数参加した。
製作したタイムエイドは、その後の調査により有効に活用されていることが確認されている。
テレビ会議システムを使い、本学の卒業生が勤務する富山県立黒部学園をサテライト会場として開催することができた。

附属特別支援学校と附属教育実践総合センターの連携によりこの装置が開発されたこと、弘前大学と青森県との連携により製作教室が開催され、異校種や福祉施設からの参加もあったことなど、「異分野の連携」が重要であることを改めて感じている。


■ テレビ会議システムを用いた遠隔支援...青森県立むつ養護学校
(1) 弘前大学のテレビ会議システム(LiveOn)と青森県との連携利用

2008年度
青森県教育委員会と弘前大学教育学部との包括協定および弘前大学の中期目標・中期計画にもとづき、青森県内の学校教育でのテレビ会議システムの先進的活用の可能性を調査・検討することを開始。
テレビ会議システムは、弘前大学に設置されたLiveOnシステムを使用。
2008年9月5日
弘前大学(附属特別支援学校)-七戸養護学校間で同システムの接続調査したが、動作せず。
県教育委員会および青森県総合学校教育センターの各担当の方に対処を依頼。
2008年12月19日
弘前大学-七戸養護学校間で動作を確認。
2010年1月13日
むつ養護学校を訪問し、高橋校長(当時)とテレビ会議システムの具体的な活用研究の開始について相談。
2010年4月〜
西沢校長(当時)と入念な打ち合わせを行いながら、むつ養護学校の訪問学級での同システムの活用(試行)を開始。
しかし、...
訪問先にインターネットの接続環境がないため、接続装置(b-mobile)を用いて接続を試みたが、十分な接続環境(帯域)が得られないことが判明。
2011年4月〜
NTTドコモの接続装置(L-05A)に切り替え、十分な帯域を確保。
しかし、むつ養護学校と訪問先の間の通信が5分間隔で途切れることが判明。
その後の調査で青森県のネットワークの設定によるものとわかったが、設定の変更には至っていない。

以上のように、不十分なネットワーク接続環境ではあったが、2011年度には訪問学級の学習指導を補ういくつかの試みを行うことができた。

(2) 訪問学級の学習指導を補う取り組み

(3) 今後の展望

  1. 今回は、担任が訪問時時に必要な機材を持ち込み、ネット接続やシステムの起動などの準備を全て行った。今後は、家庭において家族が準備をし、訪問指導日以外でも交流ができるよう、機材の整備やシステム起動の簡略化などが望まれる。

  2. テレビ会議システムは、今回試みたような訪問学級の学習指導の補間の他、僻地教育における学校間交流など、学校教育の中での有効な利用場面は少なくないと思われる。

  3. 現時点では、特定の学校・クラス・児童生徒でこのようなシステムが恒常的に利用されるとは考えにくい。コストの問題も勘案すれば、全県の公立学校で「必要な時に」利用できるような環境を整備しておくと良いのではないかと思われる。