<地域資源の活用>
ニンニクの発芽抑制物質
◎ ニンニクは青森県の主要な生産物
ニンニクは全国 80%のシェアーを誇る青森県の主要な生産物です。
◎ 発芽抑制剤(化学合成品)の問題
収穫したニンニクを通年を通じて安定に出荷するために,従来,化学合成された発芽抑制剤
が用いられてきました。しかし近年,この農薬に発癌性が見つかったために発売中止となり,
県内の農家に深刻な影響を与えました。
◎ 問題解決
青森県の必死の努力がなされ,現在,保存温度のコントロールによって問題の解決がなさ
れています。
◎テーマ設定
この研究を始めるきっかけは東京理科大学理学部・加藤忠弘教授から穂発芽抑制物質の探索
研究のお話があったことからでした。
しかし同時期に,上記のニンニクの農薬問題が持ち上がりました。
そこで研究テーマは「ニンニクの発芽抑制物質の探索研究」になりました。
◎ 天然物有機化学からの視点
植物の発芽抑制物質としてはAbscisic Acid, Indoleacetic Acid,Giberrelic. Acidなどがあります。
またもみ殻からMomilactone, コムギの殻(ふ)からTALなどが見出されています。
しかしニンニクの発芽抑制については植物生理学からのアプローチはありますが,驚いた
ことに物質レベルでの研究報告はありませんでした。
◎ シロイヌナズナの発芽抑制効果を指標とした発芽抑制物質の探索
ニンニクの発芽抑制物質を探索することにしました。
初めにニンニクに対する発芽抑制物質を検討しましたが良い結果は得られませんでした。
そこでシロイヌナズナに対する発芽抑制効果を検討し,良好な活性が見られた物質について
ニンニクの発芽抑制効果を検討することとしました。
活性試験の方法については東京都立大学大学院理学研究科・小柴共一教授にご指導を頂きま
した。
◎ ニンニク由来のシロイヌナズナ発芽抑制物質
ニンニク鱗片の有機溶媒抽出と活性試験の繰返しによって,高活性物質を見いだし化学構造
を同定しました。
現在,この物質がニンニクに及ぼす影響を検討してます。
また長谷川一先生(青森県グリーンバイオセンター)との共同研究が始まり,一層の研究の
進展を期待しているところです。
◎ お世話になっている方々
資材提供とご助言
青森県畑作園芸試験場・岩瀬利巳氏・庭田英子氏
共同研究
青森県グリーンバイオセンター・遺伝子工学研究部長・長谷川一氏
資材提供
田子町農業協同組合たっこにんにく課
◎ 社会との関わり
特 許
東北テクノアーチ(東北大学TLO)から特許申請
「ニンニク由来発芽抑制物質」 (平成16年2月)