2011.9.18-

Web版 DAISYプレイヤー &
DAISY風 テキストリーダー
(ここに記した内容はすべて開発中のものです)

弘前大学 小山智史

 マルチメディアDAISY図書・テキストDAISY図書・DAISY録音図書をWebブラウザで利用できるようにしてみました。また、テキストファイルをDAISY風に表示する(読み上げる)リーダーを作ってみました。いずれも、Webブラウザを「DAISY風プレイヤー」として利用しようという試みです。開発中のものではありますが、お試しいただき、ご意見をお寄せいただければ幸いです。

要点

0. サンプル
 まずは下記をお試しください。開発中ですので、うまく動作しない箇所もあるかもしれませんが悪しからず。

Windows IE Chrome iPad iPhone
マルチメディアDAISY図書 神山先生のサンプル
ごん狐
神山先生のサンプル
ごん狐
テキストDAISY図書 神山先生のサンプル 神山先生のサンプル
DAISY録音図書 広報しま2011年11月号
広報やない2011年10月27日号
NHK番組表
広報しま2011年11月号
広報やない2011年10月27日号
NHK番組表
テキストファイル ごん狐(青空文庫)
教科書の入力例(伊能忠敬)
英文テキストの例(daisy.txt)
画像と表を含む例

追加表示を使ったクイズ(歴史クイズ)
追加表示を使ったクイズ(人間のからだ)
ごん狐(青空文庫)
教科書の入力例(伊能忠敬)
英文テキストの例(daisy.txt)
画像と表を含む例

追加表示を使ったクイズ(歴史クイズ)
追加表示を使ったクイズ(人間のからだ)

1. Web版 DAISYプレイヤー
 DAISY図書(マルチメディアまたは音声)をWebで公開する場合は、index.htm, ncc.wsfの2つのファイルをDAISY図書と同じフォルダにコピーし、Windowsでncc.wsfを一度ダブルクリックした後、フォルダごとWebサーバに転送します。以後、Webブラウザでindex.htmを表示するとDAISY図書が表示されます(Windows IE / Chrome / iPad / iPhone)。

2. DAISY風 テキストリーダー
 Windows IEでは、音声合成エンジン[4][5]を予め利用できるようにしておきます。ChromeやiPad/iPhoneはブラウザに音声合成機能が含まれているので、その必要はありません。
 パソコン上のテキストファイル(複数あってもOK)をDAISY風に表示する場合は、index.htm, ncc.wsfの2つのファイルをテキストファイルと同じフォルダにコピーし、Windowsでncc.wsfをダブルクリックします。以後、Webブラウザでindex.htmを表示するとテキストファイルがDAISY風に表示されます。フォルダにテキストファイルを追加したり、読み修正辞書yomi.csvを作成したら、ncc.wsfをダブルクリックします。
 Windows IEではテキストDAISY図書(ローカルコンテンツ)を合成音声で読み上げます。Chrome / iPad / iPhoneではテキストDAISY図書(サーバ上のコンテンツ)を合成音声で読み上げます。

※ 雛形を用意しました(Windows IE版 template.zip, Chrome版 準備中)
※ 講習会用資料「DAISY風コンテンツの作り方」を作りました(practice.pdf)...実はこの資料もpractice.txtをDAISY風に表示してpdfにしたものです

表1. 主な機能や操作の比較
(動作の確認は iPad mini, Windows Chrome 43, WindowsXP Home/Pro(SP3), Windows7 Home Prem(SP1), Windows8.1 で行いました)
ブラウザ Chrome/iPad/iPhone IE6/IE8/IE9/IE11 Firefox10 専用ソフト(AMIS 3.1)
対象となる図書 テキストファイル
青空文庫
テキスト
DAISY図書
DAISY
録音図書
マルチメディア
DAISY図書
テキストファイル
青空文庫
テキスト
DAISY図書
マルチメディア
DAISY図書
DAISY
録音図書
マルチメディア
DAISY図書
テキスト
DAISY図書
マルチメディア
DAISY図書
音声 合成音声
(ブラウザ内蔵)
録音音声*2 合成音声
(MSSP Haruka)
録音音声 合成音声
(SAPI/MSSP)
録音音声
ローカルコンテンツ × (Windows7, Windows8.1)
(WindowsXP)*1
サーバ上のコンテンツ × ×
ハイライト表示と
読み上げの同期
- 少しずつずれる
再生速度 変更可 固定 変更可 固定 変更可
開始と停止
開始/停止ボタン
停止:ESCキー

開始/停止ボタン
停止:ESCキー

開始/停止ボタン
停止:ESCキー
(開始は先頭から)
休止と再開 ×
休止/再開ボタン
休止:CTRLキー
再開:スペースキー
×
見出しの移動
見出しをクリック
SHIFT+↑↓キー
背景の左/右クリック

見出しをクリック
SHIFT+↑↓キー
背景の左/右クリック
×
見出しをクリック
フレーズの移動
フレーズをクリック
↑↓キー
- ×
フレーズをクリック
↑↓キー
×
前後ボタン
全画面表示 (Windows ChromeではF11) キオスクモード(F11) 簡易表示
拡大・縮小
ChromeはCTRL + + / CTRL + - , iPad/iPhoneはパネル操作
IE6は文字のみ
IE8,IE9,IE11は文字・画像(CTRL + + / CTRL + -)
(文字のみも可)
文字のみ
縦書き - ×
ルビ -
(アドオンによる)
設定の保持
音声ガイド × ×
*1 WindowsXP・IE8, Windows7・IE9でDAISY風テキストリーダーを利用していると、「アクセスが拒否されました」と出てテキストファイルが表示できないことがあります。まったく同じ内容のテキストファイルでも表示できる場合と表示できない場合があります。セキュリティの関係のようですが、正規の解決策はわかりません。「表示できるテキストファイルのコピーを作ると、これは問題なく表示できるので、その内容を新しいものに入れ替える」というのが苦肉の策です。
また、MultipleIEを使ってIE6で利用すれば、うまく動作するようです。
WindowsXPでIE6を利用していると「オートメーションサーバーはオブジェクトを作成できません」というエラーが出ることがありました。この場合も、ファイルの中身が一緒でファイル名を変えるとこのエラーが出たり出なかったりしました。
*2 iPad/iPhoneのsafariでは音声ファイルの先読みができないという制限があるようです。そのため、メニューフレームで選択し、コンテンツフレームに内容が表示されても、すぐに読み上げが開始できません。一旦停止した後、コンテンツフレームの任意の箇所をクリックするとそこから読み始めます。

1. Web版 DAISYプレイヤー

 サーバ上のDAISY図書を共同利用する仕組みです。既存のDAISYコンテンツをこのように利用するには、著作権の問題に注意する必要があります。ここでは、むしろ新しいコンテンツの制作が促進されることを狙いとしています。例えば

など、情報補償、つまり文字の読みが困難な方にもわかりやすく提供されるWebコンテンツが増えることにつながると思うのです。当然、利用者の拡大や協力者の拡大にもつながります

マルチメディアDAISY図書を、サーバ上で共同利用することができます。

DAISY録音図書も、サーバ上で共同利用することができます。視覚障害者が扱いやすくするにはどうしたらよいかやニーズがあるかどうかなど、今後更に検討したいと考えています。

テキストDAISY図書も、Chrome/iPad/iPhoneの場合はサーバ上で協同利用することができます。Windows IEの場合はローカルコンテンツとして利用します。マルチメディアDAISY図書に比べ制作が容易ですから、「合成音声で満足できる」ならば有効に活用できるでしょう。

サンプル1(神山博先生に作成していただきました)
(1)マルチメディアDAISY図書(録音音声)...Windows IE版, HTML5対応Chrome/iPad/iPhone版
(2)マルチメディアDAISY図書(合成音声を録音したもの)...神山先生のページで公開中
(3)テキストDAISY図書(合成音声読み上げで対応)...Windows IE版(ローカルのみ), HTML5対応Chrome/iPad/iPhone版

サンプル2(日本障害者リハビリテーション協会の許可を得て公開します)
ごん狐(マルチメディアDAISY図書)...Windows IE版, HTML5対応Chrome/iPad/iPhone版

IE8の表示画面
マルチメディアDAISY図書の表示例(IE8)
Chromeの表示画面
マルチメディアDAISY図書の表示例(Chrome)

 サーバ上(Chrome, IE)またはローカル(IE)の録音音声を利用できます。ただし、再生速度は固定で、ハイライト表示と再生音声の同期は少しずつずれてしまいます。非力なパソコンで画像を含む文書を表示するような場合は「同期のずれ」が気になりますが、思ったほどではありません。

サンプル3(米沢市社会福祉課・米沢ICT協働会)
 米沢市障がい(児)者の福祉ガイド(マルチメディアDAISY図書)...Day's Eye Styleのページで公開中

サンプル4(志摩市社会福祉協議会の許可を得て公開します)
 広報しま2011年11月号(DAISY録音図書)...Windows IE版, HTML5対応Chrome/iPad/iPhone版

サンプル5(柳井市社会福祉課の許可を得て公開します)
 広報やない2011年10月27日号(DAISY録音図書)...Windows IE版, HTML5対応Chrome/iPad/iPhone版

サンプル6(NHKの許可を得て公開します)

 NHK番組表(DAISY録音図書)...Windows IE版, HTML5対応Chrome/iPad/iPhone版

(準備)

  1. index.htm, ncc.wsf をいずれも右クリックで保存し、DAISYコンテンツと同じフォルダに入れます。後に示す合成音声の読み修正ファイルyomi.csvを作成した場合は、それも同じフォルダに入れておきます。
    ※ ncc.wsfを保存しようとするとncc.htmというファイル名が表示されるので、「ファイル名」を「ncc.wsf」にし、「ファイルの種類」を「すべてのファイル」にして保存してください。
  2. ncc.wsf をダブルクリックするとコンテンツに応じて ncc.js というファイルが作られます。この操作で次のことが行われます。
    • ncc.html 内の < meta > で記述されたクレジットを ncc.js に転記する。
    • 合成音声の読み補正辞書 yomi.csv があればこれを元に辞書データを作成する。
    • ncc.html が参照しているsmilファイルを調べる。
    • 各smilファイルには、HTMLファイルの表示箇所と音声ファイルの表示時間の情報が並んでいるので、これを元にデータを作成する。
※ Linux等Windows以外の場合は、ncc.awk(右クリックで保存)を用意し、「ls *.txt|gawk -f ncc.awk」の操作でncc.jsを作ります(未確認)。

(利用)

  1. 利用時に必要なものは、DAISYコンテンツと同じフォルダにある index.htm, ncc.js の2つのファイルです。
  2. Webブラウザでindex.htmを表示すると、「ncc.js」を参照し、左に章選択のメニュー、右にコンテンツが表示されます。
  3. 一群のファイル(DAISYコンテンツとindex.htm, ncc.js)をサーバに置けば、共同利用できます。

(a) マルチメディアDAISY図書

(b) テキストDAISY図書

(c) DAISY録音図書
図1. Web版DAISYプレーヤーが利用するファイル


2. DAISY風 テキストリーダー

 パソコン上にあるテキストファイルや、1万冊に及ぶ青空文庫[2]の図書を、合成音声で「DAISY風に」読むことができます。

(基本事項)
 画面左のメニューフレームに表示された「目次」の中の章や節に相当する項目を選ぶと、その内容が画面右のコンテンツフレームに表示されます。

 コンテンツフレームの内容は、ハイライト表示しながら合成音声で読み上げられます。

(読み上げ方法)

 メニュー画面で、読み上げ音声を選択でき、その速度や音程を調整できます。

 読み上げ方法は、から選択します。「合成頁読」は指定されたページを読み上げて停止し、「合成通読」は全編を通して読み上げます。「合成読上」はマウスでポイントしたフレーズをハイライト表示して読み上げます。

(読み上げテキスト)
 同じフォルダに複数の図書(テキストファイル)があれば、メニューフレームで選択できます。を選択すると、入力欄に入力したテキストがDAISY風に表示して読み上げられます。

 を押してパソコン上のテキストファイルを選ぶと、そのファイルの内容が上記の入力欄に読み込まれ、コンテンツフレームにDAISY風に表示され、ハイライト表示と読み上げを行うことができます。

 テキスト中の見出しの抽出と本文の分割、フレーズの抽出を自動で行っています。フレーズは、「、。」「,.」「,.(英文)」を区切り文字として、ハイライト表示および音読の区切りとしています。

 レイアウトの乱れを改善したい場合は、テキストファイルを修正します。読み誤りを修正したい場合は、読み修正ファイル(yomi.csv)を作るか、「☆読み☆よみ☆」のようにテキスト中で読みを指定します。

 テキスト中では表2のルールを利用して、表示の工夫ができます。青空文庫のルールの一部とXHTML Converter[6]のルールの一部を解釈できるようになっています。独自の拡張として、右寄せ、センタリング、表、画像・動画の表示、リンク、追加表示、差替表示、話者指定があります。

 テキストエディタで「一定のルール」に従って作れば良いので、「新たに対象児のためのDAISY風教材を作る」というようなことがどんどん行われてほしいと思っています。

表2. テキスト中で利用できるルール
青空文庫
  • 1行目はタイトルとして表示する(ただし空行や右寄せと解釈される場合は次の行)。
  • 冒頭に記載されている「----...」に挟まれている「注記」は表示しない。
  • 末尾に記載されている「底本:...」以降は表示しない。
  • [#...見出し]を見出しとする。
  • [#...]の注記は表示しない。
  • ルビ対象文字列《ルビ文字列》でルビを表示する。
XHTML Converter
  • タイトル行頭の「=」は表示しない。
  • 行頭の「*~******」または「■□◆◇●○」はレベル1~6の見出しとする。
  • 「%ファイル名%代替文字列%」で画像(jpg, gif, png)を表示する。
  • 「^URL^文字列^」で文字列にリンクを設定する。
  • 「‘ルビ対象文字列‘ルビ文字列‘」でルビを表示する。
独自のルール
  • 見出しの自動判別...「一」「1....」「1 ...」などの行
  • 右寄せの自動判別
  • 「右寄せ: ...」の行は右寄せ
  • 「中央: ...」の行はセンタリング
  • 「画像:ファイル名」の行は、画像ファイル(jpg, gif, png)を表示。横書きの場合は幅、縦書きの場合は高さが、ウィンドウの幅や高さよりも大きい場合は範囲内に収まるように自動調整される。
  • 「動画: ファイル名」の行は、動画ファイル(mp4)を表示。手動操作で再生開始。
  • ┌─...─┐から└─...─┘までを表として表示する。│をカラム(横)の仕切り線、├...┼...┤を縦の仕切り線とする。
  • 「リンク:URL 文字列」からなる行は、「リンク:文字列」と表示され、「文字列」をクリックするとリンク先のページが表示される。その他のURLは自動リンクされる。
  • 「文字列1▼文字列2▼文字列3...」からなる行は、はじめは「文字列1」だけを表示(読み上げ)する。その後その箇所をクリックすると「文字列1」に続いて「文字列2」が現れ、再びクリックすると更に「文字列3」が現れ、...となる。
  • 「文字列1▽文字列2▽文字列3...」からなる行は、はじめは「文字列1」を表示(読み上げ)する。その後その箇所をクリックすると「文字列1」が「文字列2」に置き換わり、再びクリックすると「文字列3」に置き換わり、...となる。
  • 文中の「☆表示文字☆音声文字☆」は「表示文字」を「音声文字」で読み上げる。この方法で読み誤りの修正を行うこともできる。ただし、フレーズ内でのみ機能し、表示文字や音声文字の中に「、」「。」を含めることはできない。このことに注意すれば、「図を表示して合成音声で説明する」ようなコンテンツも制作できる。
  • テキスト中で「話者1::太郎」のように冒頭で「話者1」~「話者4」を定義しておくと、「太郎:こんにちは。」の行は太郎の声(話者1)で読まれます。実際の声の設定は、使用時にメニューフレーム下部の「話者1」の箇所で行います。
  • テキスト中冒頭で「::問題シャフル」と宣言すると、問題(ページ)がランダムになります。クイズなどに用います。
  • テキスト中冒頭で「::答えシャフル」と宣言すると、ページ中の選択肢(▼または▽を含む行)の表示がランダムになります。クイズなどに用います。
    問題シャフルと答えシャフルは組み合わせて用いることができます。
  • テキスト中冒頭で「::行シャフル」と宣言すると、ページ中の行がランダムになります。訓練教材などに用います。
  • テキスト中冒頭で「::列シャフル」と宣言すると、行の中の並び(区切り文字はスペース)がランダムになります。訓練教材などに用います。
    行シャフルと列シャフルは組み合わせて用いることができます。

 以下はサンプルです。Windows IE版は、オンラインでは表示のみで音声は出ません。Chrome, iPad, iPhoneはオンラインでのみ利用できます。

サンプル7
教科書の入力例(ino.txt, sake.txt)...Windows IE版, HTML5対応Chrome/iPad/iPhone版
ルビを含んでいます。Windows IE版は「Haruka」の声で読み上げます(ローカル)。

教科書を入力したテキストファイル
教科書を入力したテキストファイル
教科書の表示例
教科書の表示例(Chrome)

サンプル8
英文テキストの例...Windows IE版, HTML5対応Chrome/iPad/iPhone版
Windows IE版は「Helen」の声で読み上げます(ローカル)。

英文のテキストファイル
英文のテキストファイル
英文テキストの表示例
英文テキストの表示例(Chrome)

サンプル9
テキストファイル(画像と表を含む例)...Windows IE版, HTML5対応Chrome/iPad/iPhone版
画像サイズは自動調整されます。(sample.txt)

画像と表を含むテキストファイル
画像と表を含むテキストファイル
画像と表の表示例
画像と表の表示例(Chrome)

サンプル10
リンクおよび動画の表示例...Windows IE版
動画は、現在mp4ファイルのみ表示できます。また、自動再生ではなく手動再生になっています。また、このサンプルはリンクの例にもなっています。

動画を含むテキストファイル
動画を含むテキストファイル
動画の表示例
動画の表示例

サンプル11
青空文庫テキスト(ごん狐)...Windows IE版, HTML5対応Chrome/iPad/iPhone版

青空文庫テキストの例
青空文庫テキストの例
青空文庫の表示例
青空文庫の表示例(Chrome)

サンプル12
追加表示を使ったクイズ(歴史クイズ)...Windows IE版, HTML5対応Chrome/iPad/iPhone版
下図は三択クイズの例で、下図右は「行基」をクリック(回答)したところです。この箇所がひとつのフレーズ(ハイライト単位)として扱われますから、長文には向きません。

三択クイズのテキストファイル
三択クイズのテキストファイル
三択クイズの表示例
三択クイズの表示例(Chrome 回答後)

サンプル13
追加表示を使ったクイズ(人間のからだ)...Windows IE版, HTML5対応Chrome/iPad/iPhone版
下図中央は表示画面を読み終えて停止した状態で、ここで「ヒント」をクリックすると下図右のようにヒントが表示されます。「こたえ」をクリックすると、こたえが表示されます。他にもさまざまな応用ができると思います。

クイズのテキストファイル
クイズのテキストファイル
クイズの表示例
クイズの表示例(IE)
ヒントの表示
クイズの表示例(Chrome)
ヒントの表示
「ヒント」のクリックで追加表示(Chrome)

サンプル14
新聞記事...あらかじめ各々括弧中のプログラムで本文を抽出しておきます。例えばasahi.batを実行すると、朝日新聞のビジネス・文化・国際・生活・社会・政治・科学・スポーツの当日のニュースを抽出し、それぞれbusiness.txt, culture.txt, ...のファイルに保存します。なお、プログラム中でwget, gawk, nkf, cat, rm などを利用しているので、別途これらを利用できるようにしておく必要があります。

朝日新聞
朝日新聞(asahi.awk, asahi.bat)
読売新聞
読売新聞(yomiuri.awk, yomiuri.bat)
毎日新聞
毎日新聞(mainichi.awk, mainichi.bat)
東奥日報
東奥日報(too.awk, too.bat)
陸奥新報
陸奥新報(mutsu.awk, mutsu.bat)

(Windows IE版の準備)

  1. index.htm, ncc.wsf をいずれも右クリックで保存し、テキストファイルと同じフォルダに入れます。複数のテキストファイルを置いてその中から選択できます。
     合成音声の読み誤りを修正したい場合は、以下のような「対象文字列,置換文字列」の並びからなる修正ファイルyomi.csvを作成し、同じフォルダに入れておきます。
    ごん狐,ごんぎつね 南吉,なんきち 小狐,こぎつね 一ぱい,いっぱい 一しょ,いっしょ
    ※ 読み方は音声合成エンジンによって異なるため、読みの補正も音声合成エンジン毎に考慮する必要があります。

  2. ncc.wsf をダブルクリックするとコンテンツに応じて ncc.js というファイルが作られます。この操作で次のことが行われます。
    • DAISY図書の ncc.html ファイルが無い場合は、同じフォルダにあるテキストファイル(*.txt)を探し、そのリストを作成する。
    ※ Linux等Windows以外の場合は、ncc.awk(右クリックで保存)を用意し、「ls *.txt|gawk -f ncc.awk」の操作でncc.jsを作ります(未確認)。

(利用)

  1. 利用時に必要なものは、テキストファイルと同じフォルダにある index.htm, ncc.js の2つのファイルです。
  2. Webブラウザでindex.htmを表示すると、「ncc.js」を参照し、左に章選択のメニュー、右にコンテンツが表示されます。
  3. 一群のファイル(テキストファイルとindex.htm, ncc.js)をサーバに置けば、共同利用できます。

IEと合成音声エンジン

Chrome(合成音声エンジン内蔵)
図2. DAISY風テキストリーダーとコンテンツ

3. マルチメディア教材

 合成音声を用いたマルチメディア教材を3例紹介します。

サンプル15
(日本語の電話応対教材)
 「話者2::市役所」のように話者を割り当てておくと、「市役所: 弘前市役所の...」の行が話者2の声で読み上げられます。実際の話者1~4の声は、使用時にメニューフレームで指定します。

電話応対教材
電話応対教材
電話応対教材の表示
電話応対教材の表示

サンプル16
(英語の電話応対教材)
 「SPEAKER1::Suzuki」のように話者を割り当てておくと、「Suzuki: Hello. Hirosaki...」の行が話者1の声で読み上げられます。

電話応対教材(英語)
電話応対教材(英語)
電話応対教材の表示(英語)
電話応対教材の表示(英語)

サンプル17
(英語のマルチメディア教材)
 Mihi, Shun, Aki, Jimの4人の声を使い分けた英語教材の例です。

英語教材
英語教材
英語教材の表示
英語教材の表示


4. Webプレゼンテーション

 当初の目的とは少々異なりますが、「Webプレゼンテーション」にも利用できるよう少し工夫してみました。合成音声エンジンを組み込む必要はありません。

サンプル18

プレゼン用テキスト
プレゼン用テキスト
プレゼン1
プレゼン表示1
プレゼン2
プレゼン表示2

(準備)

  1. index.htm, ncc.wsf をいずれも右クリックで保存し、プレゼン用テキストファイルと同じフォルダに入れます。複数のプレゼン用ファイルを置いても構いません。

  2. ncc.wsf をダブルクリックすると、同じフォルダにあるテキストファイル(*.txt)を探し、そのリストを ncc.js として作成します。

  3. 音声読み上げは多分使いません。

(利用)

  1. 利用時に必要なものは、プレゼン用に作成したテキストファイルと index.htm, ncc.js の2つのファイルです。
  2. Webブラウザでindex.htmを表示すると、「ncc.js」を参照し、左に章選択のメニュー、右にコンテンツが表示されます。
  3. F11キーを押し、全画面モード(キオスクモード)にします。
  4. 好みの背景色を指定し、CTRL + + / CTRL + - で文字サイズを調整します。
  5. ナビゲーションフレームの幅を最小にします(下図)。
  6. コンテンツフレームを左クリックすると次ページに進み、右クリックすると前ページに戻ります。
  7. 置換表示の機能を使うと、表示中の図をクリック操作で置き換えることができます。
  8. レジメ印刷のために、ナビゲーションフレームのメニュー末尾に[全表示]を設けました。

5. 在宅吃音訓練...開発中

 言語聴覚士による吃音訓練を補う、合成音声を用いた在宅訓練について現在研究が進められています(詳細は文献[9-13])。

 「減衰読み」の設定はメニュー画面下の「ATT」の箇所で行いますが、現在、ローカルでIEを利用した場合のみ利用できます。


吃音訓練用テキスト

表示画面(Chrome)

(参考資料)

[1] DAISY研究センター, http://www.dinf.ne.jp/doc/daisy/
[2] 青空文庫, http://www.aozora.gr.jp/
[3] 電脳スピーチblog, http://denspe.blog84.fc2.com/
[4] Microsoft Speech Platform - Runtime(Version 11), http://www.microsoft.com/download/en/details.aspx?id=27225
[5] Microsoft Speech Platform - Runtime Languages(Version 11), http://www.microsoft.com/download/en/details.aspx?id=27224
[6] XHTML Converter, http://www.dinf.ne.jp/doc/daisy/software/xhtmlconv.html
[7] HTML Ruby(Firefox用), https://addons.mozilla.org/ja/firefox/addon/html-ruby/
[8] テキストファイルをDAISY風に表示するリーダーの開発, 電子情報通信学会福祉情報工学研究会資料, WIT2011-89, pp.107-112, 2012.
[9] 遠隔地の吃音指導のニーズと合成音声を用いた在宅訓練の提案, 電子情報通信学会福祉情報工学研究会資料, WIT2012, 2013.
[10] 成人吃音における合成音声を用いた音読訓練 ---その効果とコミュニケーション態度の改善---, 日本音響学会2013年春季研究発表会予稿集, 2-7-7, 2013.
[11] 成人吃音者1 例における合成音声を用いた在宅訓練---1年間の吃症状の改善---, 電子情報通信学会応用音響研究会資料, EA2013-41, 2013.
[12] 吃音訓練における発話速度調整の重要性についての検討---合成音声を用いた在宅訓練を通して---, 第1回日本吃音・流暢性障害学会, 2013.
[13] 長期的支援における成人吃音1例のコミュニケーション態度の変容---言語訓練と在宅訓練による効果の検証---, 日本コミュニケーション障害学会, 2015.


付録A. 合成音声の準備(Windows IE)

 最近の合成音声(TTS: TextToSpeech)は品質が大変良いのに驚きます。「Windows IEでローカルで利用する場合」に限られますが、マイクロソフトから提供されているHarukaの合成音声を用いて、DAISYコンテンツを読み上げることができます。現在、マルチメディアDAISYコンテンツには録音音声が用いられていますが、合成音声で目的を達成できる用途もあると思っています。

A.1 Haruka で読む
 Windows8/Windows8.1はHarukaという日本語合成音声エンジンがすぐに利用できるようになっています。WindowsXP, Windows7に合成音声エンジンを組み込む方法は、「電脳スピーチblog」[3]の以下の記事を参考にさせていただきました。感謝いたします。

記事に記載されているように、マイクロソフトから提供されているMSSPとHaruka, Helen, ZiraPro の音声エンジンは[4][5]から入手できます。以下に、組み込み方法の要点をまとめておきます(Windows8/Windows8.1ではこの必要はありません)。
  1. [4]から、x86_SpeechPlatformRuntime\SpeechPlatformRuntime.msi をダウンロードしてインストールする。64ビット版Windows7でも通常は32ビットIEが動作しているようなので「x86...」でよいようですが、もしも64ビットIEを使っている場合は x64_SpeechPlatformRuntime\SpeechPlatformRuntime.msi をインストールします。
  2. [5]から、MSSpeech_TTS_ja-JP_Haruka.msi をダウンロードしてインストールする。

A.2 Misaki で読む
 「しゃべるんです(ナレッジクリエーション 22890円)」も試してみました。VoiceTextの Misaki, Miyu, Show の音声が利用できるようになります(ここの「読み上げ」ボタンでサンプル音声を聴くことができます)

A.3 英文を読む
 Windows8/Windows8.1はZiraという合成音声エンジンがすぐに利用できるようになっています。WindowsXP/Windows7の場合は、A.1と同様の方法で、[5]から、MSSpeech_TTS_en-US_Helen.msi や MSSpeech_TTS_en-US_ZiraPro.msi をダウンロードしてインストールすると、Helen と ZiraPro の音声が利用できるようになります。かなりの高品質で英文を読み上げてくれます。「しゃべるんです」では Kate の音声を利用できます。

A.4 合成音声の確認
 手元のパソコンで Haruka, Misaki その他の合成音声が正しく動作しているかどうかは、「sapi.htm(右クリックでダウンロード)」で確認できます。


2011.11.12 Web版DAISYプレーヤー&DAISY風テキストリーダー, 第105回教育・福祉とエレクトロニクス懇話会
2012.4.28 実習: Web版DAISYプレーヤー&DAISY風テキストリーダー, 第106回教育・福祉とエレクトロニクス懇話会
[プレゼン] [ゴン] [ドリル] [朝日] [読売] [毎日] [東奥] [陸奥] [msharuka32.reg] [msharuka64.reg] [spcbght]
koyama@hirosaki-u.ac.jp