2004.3.1-

気になる 写真立て
(第3回ALICE大賞を受賞しました)

小山智史(弘前大学)
(朝)都会で暮らす息子の家では朝の支度をしながら
「あ おばあちゃん 起きたみたいだよ」
「ほんと 今朝は寒いから おばあちゃんも大変よね…」
(夜)田舎で一人で暮らすおばあちゃんはテレビを見ながら
「孫たちはにぎやかね おしゃべりしながら食事してるのかしら...」

 家電製品もインターネットに接続される時代となりましたが、ではどのような付加価値が期待されるでしょうか。まだまだ模索の段階ではないかと思います。この「気になる写真立て」は日常生活に根ざしたIT活用の新しい提案です。

 「気になる写真立て」は、離れて暮らす親子など親しい人の生活空間(例えば自宅の居間)の双方に置いて、インターネットに接続して利用します。気温、明るさ、音の3つの生活環境情報を時々刻々相手の端末に送信すると共に、相手から受け取った情報を表示します。温度は発光色で、明るさは白色の明るさで、音の大きさはイラスト背景の赤色のゆるやかな明滅でそれぞれ表わされます。
 必要な時に用件を伝える手段としては、電話など十分な環境が整っています。ここで目指しているのは「相手に思いを馳せるキッカケ」の提供です。
 独居高齢者、単身赴任者、長期入院患者とその家族、遠距離恋愛のカップルなど、親しい者のコミュニケーションを支援します。姉妹校の互いの教室や、姉妹都市の互いの首長室に置くというのもいいかもしれません。

○接続方法: 常時ACアダプタとLANケーブルを接続しておいてください(下図はADSL接続の例)。LANケーブルはDHCP機能を有するブロードバンドルータに接続して使うことを想定しています。

※ 他の方法で接続して使用する場合はご相談ください。
※ 2台の間の通信は弘前大学に設置した中継装置を介して行われます。ですから、2台をHUBで接続したとしても、インターネットに接続されていないと利用できませんのでご注意ください。なお、中継装置でデータ収集は行っていません。
※ 接続がとぎれて表示が消えることがありますが、自動的に復旧しますので、そのままにしておいてください。もしも表示が消えた状態が長く続く場合はご連絡ください。

○操作方法: 操作する箇所は特にありません。
ですが...(これは本当は内緒なのですが)...装置裏面に動作確認のためのボタンが2つ設けてあります。

  • 黄色のボタンを押すと、セルフモードとなり、自らの明るさや温度や音の情報が表示されます。LANに接続されていなくともこの機能が働くので、装置の基本的な動作確認ができます。
  • 緑色のボタンを押すと、相手装置のブザーが鳴ります。これに相手装置の音センサが感応し、自装置の音の表示が明滅します。ネットワークや互いの装置が正しく動作していることを確認することができます。

    ○実装例:

    気になる写真立て1号機 気になる写真立て2号機
    フォトフレーム No.173(ダイソー)を用いた1号機(左上の窓の上部が明るさ、下部が温度、左下のハート型の部分が音の表示) メタリック風フォトフレーム No.240(ダイソー)を用いた2号機(2Lサイズの写真の右側3cmの部分に、上から明るさ、温度、音の表示)。2Lサイズでプリントしたお気に入りの写真を用意し、横幅を3cmほど切り詰めてセットします。

    (参考資料)
    [1]小山: 生活環境情報を伝達する非インタラクティブなコミュニケーション端末の試作, 第3回情報科学技術フォーラム論文集, pp.495-496, 2004.[プレゼン]
    [2]小山: 高齢者のコミュニケーションを支援する「気になる写真立て」, 第93回教育福祉とエレクトロニクス懇話会資料,2004.
    [3]小山: 言語的コミュニケーションを補う支援技術とその背景, 平成14-16年度科研費報告書(研究代表者 西沢義子), pp.69-72, 2005.
    [4]小山: 離れて暮らす家族を結ぶ---IT時代のコミュニケーション支援---, 第3回ALICEシンポジウム予稿集, pp.8-11, 2007.[プレゼン]


    (イラストの一部は成田蘭子による)
    koyama@hirosaki-u.ac.jp