2000.7.17 -

インターネットを活用した文献検索

小山智史(弘前大学)
  1. 文献の検索と入手[オンラインでの複写依頼]
  2. Webサイトの検索と文献データの検索
  3. 書籍の検索
      [検索] 日本書籍出版協会
      [□□] 出版社による検索サービス
      [□□] 書店による検索サービス
      [検索] 書籍検索リンク集
  4. 広い分野で利用できる文献データベース
  5. 専門分野に特化した文献データベース
  6. さまざまな文献情報

 今日では、文献調査にインターネットが大変な威力を発揮します。ここでは、インターネットを利用して文献を検索する方法を紹介します。最近では、文献の本文全体を入手できる場合も少なくありません。各自の研究分野に関して実際に文献の検索をしてみてください。

 なお、ここで紹介する検索サービスは練習用に提供されているものではありませんから、節度ある利用を心掛けてください。特に、授業等で利用する場合は特定のデータベースにアクセスが集中しないよう配慮が必要です。



1. 文献の検索と入手

1.1 検索のポイント

○キーワード
 一般的な語をキーワードにすると検索結果が膨大な件数となり、その中のどれが本当に見つけたい文献かわかりません。特殊な語をキーワードにすると探したい文献が検索に引っかかってきません。「適切なキーワード」を十分吟味することが重要です。ところが、適切な語を指定したとしても、それがデータベース上でキーワードになっているとは限りません。ですから、適切と思われる語を入れなおして検索してみることも重要です。また、複数の語を組み合わせる(AND結合)ことで検索対象を効果的に絞りこむことができます。繰り返しますが、検索を行う場合には、キーワードの選定に十分な注意と時間を費やすべきです。このことはYahooやGoogleの検索を利用する場合も同様です。
 検索システムによってシソーラスのサービスが利用できる場合があり、「適切なキーワード」を見つけるために活用すると便利です。
○著者名
注目している著者に関して著者名による検索を行うと、思わぬ最新の文献が見つかることがあります。なお、同一著者でも微妙に異なる複数の名前で登録されていることがあるので注意が必要です。また、データベースによっては、日本語で「姓」と「名」を区切る必要がある場合もあります。

1.2 文献複写の依頼

 研究に必要な文献に関する情報が得られたら、所定の手続きにより図書館(2階奥の参考係)にその文献の複写を依頼し、入手できます。下記は文献複写申込書の記載例です。

 これからわかるように、所望の文献を入手するには
  誌名・巻号頁年・著者・タイトル
の情報が必要です。

 学内教職員は、オンラインでの申し込みができます(http://www.ul.hirosaki-u.ac.jp/opc/)。画面右上の「MyLibraryログイン」をクリックしてログインします。



2. Webサイトの検索と文献データの検索

 私達は、GoogleやYahooが提供している検索サーバを大変便利に利用しています。これは、インターネットのWebサーバ上にある情報をGoogleやYahooが収集して整理し、検索サービスを行っているものです。これに対し、文献データベースのサービスは、それぞれの機関(例えば国会図書館)が、学術雑誌の目次情報等に関して独自に構築した文献データの検索サービスを提供しているものです。

 GoogleやYahooでは、文献情報を得たいと思って検索を行っても、入力したキーワードに関する(文献情報とは限らない)さまざまな観点からのたくさんの検索結果が表示され、その中から得たい情報を見つけだす必要があります。また、上記のような文献データベースの内部データは検索対象に含まれないため、欲しい情報にたどりつけないことが少なくありません。

2.1 Google Scholar[http://scholar.google.co.jp/]

 Googleでは一般的なWeb検索サービスの他に、学術情報に特化したWeb検索サービスとしてGoogle Scholarのサービスを行っています。

 下図は「障害者」と「コンピュータ」をキーワードに検索した結果です。関連する学術情報が表示され、「PDF」の表示があるものは直ちに閲覧することもできます。



3. 書籍の検索

(日本書籍出版協会による書籍検索サービスの使用例)
(1) キーワードの入力と検索結果の一覧表示

(2) 書籍情報の詳細表示

 一覧表示中の興味のある書籍の箇所をクリックすると、詳細表示が現れます。また、出版社が書籍情報を提供している場合は、下の例のようにそのページとリンクしていて便利です。


(3) 著者検索

 一覧表示中の著者の箇所をクリックすると、下の例のようにその著者による書籍一覧が表示されます。注目している著者がいる場合、思わぬ新刊書が見つかることもあり、便利です。


4. 広い分野で利用できる文献データベース

4.1 NDL-OPAC(国立国会図書館)[http://opac.ndl.go.jp/]

(1) 利用の開始

 NDL-OPACで「雑誌記事索引の検索/申込み」を選び、検索を開始します。国内の論文誌、研究会資料、大学の紀要など18000誌の文献情報が検索できます。


(2) キーワードを入力して検索

(3) 検索結果(文献情報)の一覧表示

(4) 詳細表示


4.2 GeNii[ジーニイ](国立情報学研究所)[http://ge.nii.ac.jp/genii/jsp/]

 GeNiiの検索サービスは以下の4つに分かれています。CiNiiの論文情報は1000万件に及びます。以下の使用例では論文検索と分野別データベース検索について紹介しています。分野別データベースを活用すると、一般的な文献データベースとは違った検索結果が得られる可能性がありますが、探し当てた文献が通常の方法(文献複写依頼)で入手できるとは限りません。

(CiNii[サイニイ]の使用例)

(1) CiNiiの選択

(2) キーワードを入力して検索


(3) 検索結果(文献情報)の一覧表示

 ここから先の表示は有料となりますが、文献の入手に必要な情報は表示されています。研究会資料や大学などの紀要も幅広く登録されており、役に立ちます。

 マークがあるものについては、個人または機関で利用登録することにより、入手可能です(弘前大学も期間登録されています)。

(分野別データベース(Nii-DBR)の使用例)

 各専門分野で作成されたデータベースを横断検索できます。登録されているデータはデータベースにより大きく異なり、一般的な文献データベースとは違った検索結果が得られる可能性があります。しかし、探し当てた文献が通常の方法(文献複写依頼)で入手できるとは限りません。

(1) Nii-DBRの選択


(2) 検索対象のデータベースを指定しキーワードを入力して検索

(3) 検索結果の一覧表示

(4) 文献の詳細表示


4.3 J-STAGE(科学技術振興機構)[http://www.jstage.jst.go.jp/ja/]

 ジャーナル294誌(12万件の記事)、予稿集・要旨集94誌、報告書6誌、JST報告書40誌の目次情報が登録されています。学会に異なりますが、pdfで直接表示できる論文も多数含まれています。ジャーナル、予稿集・要旨集、報告書、JST報告書はトップページから横断的な検索ができ、学会発表データベースは初めにデータベースを選択してその範囲で検索します。

(使用例)
(1) 簡易検索

 「検索語」を入力し、「Search」ボタンを押します。この操作は、「ジャーナル」「予稿集・要旨集」「報告書」「JST報告書」を対象とした全文検索となります。

(2) 詳細検索

 上記画面で「詳細」ボタンを押すと、以下の画面で詳細検索できます。


(3) 検索結果

 検索結果は以下のように表示され、「Abstract」や「PDF」の表示があるものについては、概要や全文を表示できます。ただし、学会によってIDとパスワードを要求される場合もあります。

(4) 学会発表データベースの利用

 以上の操作は「ジャーナル」「予稿集・要旨集」「報告書」「JST報告書」が検索対象となります。学会発表データベースの検索を行う場合は、はじめの画面で「Nii学会発表DB」のボタンを押します。以下のようにデータベースの一覧が表示されるので、検索対象を指定します。


(5) キーワードを入力して検索

 「検索」を指定した後、詳細検索を行います。

(6) 検索結果の表示

 検索結果の一覧が表示され、「抄録」の表示がある場合はそこをクリックすると詳細表示されます。


4.4 Ingenta[http://www.igentaconnect.com/]

 1988年以降の広範囲の論文情報を2400万件収録しています。

(使用例)
(1) 「Search」をクリックし、キーワード等を入力して検索

(2) 検索結果の一覧の中に興味ある文献があればタイトルをクリックして詳細表示


(3) 書誌検索との連動

 上記の検索結果一覧または詳細表示中の「論文誌名」の箇所をクリックすると、巻号の一覧が表示されます。例えば最新号の箇所をクリックすると、最新号の目次が現れ、以下は前出の操作と同様です。身近に購読されていない論文誌でも、このように最新の論文に関する情報を得ることができます。

(4) 著者検索との連動

 興味ある文献が見つかった場合、その著者が他にどのような論文を出しているか調べると、思わぬ最新の文献が見つかることがあります。発表したばかりの論文は、まだ他の論文に引用されることもなく、その情報になかなか辿りつかないためです。しかしながら、現在の検索システムでは検索結果から著者検索への連動はないので、コピー&ペーストで(1)の著者検索を利用するしかありません。



5. 専門分野に特化した文献データベース

5.1 ERIC[http://www.eric.ed.gov/]

 1966年以降の教育学関係文献の目次情報を110万件収録しており、直接閲覧できる論文(full-text)も11万件登録されています。シソーラスもオンラインで利用できます。

(使用例)
(1) 検索の開始

「http:www.eric.ed.gov」に接続し、「Advanced Search」をクリックして詳細検索にします。

(2) キーワードを入力し検索範囲を設定して検索


(3) 検索結果の表示

5.2 ERIC Digest[http://www.ericdigests.org/]

 3000件に及ぶ教育分野の小論文のデータベースで、全文(full-text)を閲覧できます。

(使用例)
(1) データの選択

 キーワードでも検索できますが、最新号の目次を表示してみましょう。

(2) 文献の一覧表示


(3) 文献の全文表示

5.3 EDMARS(岐阜大学)[http://www.crdc.gifu-u.ac.jp/edmars/]

 主に国内の教育関係の文献に焦点を当てたユニークなデータベースです。36000件の論文情報が登録されており、論文概要も入手可能ですが、データが更新されていないのが残念です。

(使用例)
(1) 利用の開始

 分野別に9つの文献データベースが利用できます。説明画面を確認の後、「データベースの検索へ」をクリックします。

(2) データベースの選択とキーワードの入力


(3) 検索結果(文献情報)の一覧表示

(4) 文献情報の詳細表示


5.4 NARIC(リハビリテーション分野)[http://www.naric.com/research/]

(使用例)
(1) データベースを選択しキーワードを入力

(2) 検索結果(文献情報)の一覧表示

(3) 文献情報の詳細表示


5.5 医中誌WEB(医学分野)[http://login.jamas.or.jp/]

(使用例)
(1) 「ログインボタン」をクリックし、「ADVANCED」を選択

(2) 検索結果(文献情報)の一覧表示

(3) 他の文献検索エンジンとの連携

 「弘大蔵書確認」をクリックすると、掲載雑誌が弘前大学内にあることがわかります。また、「J-STAGE」をクリックすると、実はこの文献はpdfで直ちに入手することができます。

5.6 PubMed(医学分野)[http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?DB=pubmed]

5.7 ScienceDirect(科学全般)[http://www.sciencedirect.com/]

5.8 AGRICOLA(農学分野)[http://agricola.nal.usda.gov/]

5.9 e-Print(京都大学)(物理・数学分野)[http://xxx.yukawa.kyoto-u.ac.jp/]

5.10 EconLit(経済学分野)(学内限定)

 弘前大学図書館による文献検索サービスで、1969年以降の世界の主要経済専門誌の目次情報を収録しています。


6. さまざまな文献情報


この資料は、平成10-11年度教職課程における教育内容・方法の開発研究助成金の補助を受けて作成したもので、以後随時改訂し、下記のURLにて公開しています。
http://siva.cc.hirosaki-u.ac.jp/usr/koyama/lecture/bunken/
文献の調べ方」もあわせて参考にしてください。