インターネットの利用と総合的学習

          ーー 地域教材(海浜)を取り入れて ーー

 

                           深浦小学校  天内 純一

 

                 要     約

 

 インターネットを利用して総合的学習に取り組む場合,具体的にどのような学習や活動

が考えられるか,また,学習計画はどうあればよいか,さまざまな課題がある。

 ここでは,海沿いの地域にある深浦小学校を例にして,インターネットを利用した場合

の学習計画を中心に述べた。また,インターネットを利用するにあたっての情報リテラシ

ーの育成,さらに,他校と交流する場合の工夫・留意点,インターネットの効果的な利用

方法などについて,具体的な私案を述べてみた。

 

[キーワード]小学校,総合的学習,横断的学習,インターネット

 

T.はじめに

  新指導要領に総合的学習が登場することになってから,その学習活動や留意点につい

 ては既に全国的に研究がスタートしている。

  平成9年度文部省主催の研究開発校協議会(群馬)に参加したが,文部省の指定を受

 けて,英語を中心とした国際理解教育への取り組みをはじめ,教科再編に向けて愛媛大

 学附属小学校の実践なども発表されていた。また,総合的学習に向けて各県の附属小学

 校での独自の実践も公開されている。特に奈良女子大附属小の特色ある教育実践には学

 ぶところが大きい。

  さて,新学習指導要領への移行期である平成12年度からは弾力的な取り組みが各学

 校でスタートする。深浦小でも35時間をとり,総合的学習に取り組む予定である。

  学習活動として具体的に5つの例があげられ,それ以外については学校や児童の実態

 に任せられているが,どのような活動が適当なのであろうか。また計画や課題はどうな

 っているのだろうか。

  以下にインターネットと総合的学習の関連から具体的に述べていきたい。

 

U.研究の目的

 o総合的な学習におけるインターネットの活用方法を探る。

 oインターネット活用のための学習計画や情報リテラシー育成計画を立てる。

 

V.研究の方法

 o文部省指導要領・解説書,その他の文献から総合的学習の目標・内容等を分析する。

 o先進校の実践をインターネットや文献から調べる。

 

W.研究の実際

 

1.インターネットと総合的学習

 

 新学習指導要領には概ね以下のようなことが述べられている。

 1総合的学習

  ・地域や学校,児童の実態に応じた、横断的・総合的な学習。

  ・児童の興味・関心等に基づく学習。

 2総合的な学習のねらい

  ・主体的な問題解決の資質,能力育成。

  ・問題解決や探究活動に主体的・創造的に取り組む態度の育成。

   自己の生き方を考えれるようにする。

 3総合的学習の学習活動

  ・国際理解,情報,環境,福祉・健康などの課題

  ・児童の興味・関心に基づく課題

  ・地域や学校の特色に応じた課題

 4配慮事項

  ・自然体験,社会体験,観察・実験,見学や調査,発表や討論,

   生産活動など体験活動,問題解決的な学習を取り入れる。

  ・多様な学習形態,指導体制,地域の教材や学習環境の活用。

  ・国際理解のために外国語会話を行う時は,小学校段階にふさわしい体験的な学習が

   行われるようにする。

 

  総合的学習を進めるには以上の1〜4について検討が必要である。そこで,これらを

 深浦小学校の場合にあてはめて,次のようなことに集約して考えてみた。

  @児童の興味,関心と学習意欲                   

   ・「HPを作成してわたしたちの郷土深浦を紹介しよう」という課題は学習の導入

    に際して児童の学習意欲を引き出すことができる。交流している学校から深浦小

    学校に対して,「深浦町を紹介してほしい」というような依頼があれば更にHP

    の作成意欲を高めることができる。

     指導要領詳説にある「幅広く外部に活動の状況や成果を公表し,地域の人々か

    ら様々な協力,反応を得る・・・」という要望にも応えることができる。

     ところで,全国に深浦小学校という同名の小学校が本校を含めて4校存在して

    いるが,それらの学校との交流ができればに大きな学習の広がりが期待できる。

    現在これらの学校では,学校全体としてインターネットに取り組んでいない。H

    Pも公開されていない。(山口県の深浦小学校では転任された方が以前に作成し

    ておられた。) 

  A学校の実態                           

   ・これまで学校行事として「サケの採卵・稚魚の放流」「地引網」などに取り組ん

    でいるが,これら海浜と関連する活動を単発的な活動で終わらせるのではなく,

    総合的に展開する必要性を感じてきている。  

  B地域の実態から                          

   ・深浦町は海に面していて保護者の中には漁業で生計を立てている方もおられる。

    海浜に関連した学習は児童にとって身近なものであり興味・関心を高めることが

    できる。また海浜に関連した探究活動も容易にできる。          

  C教育行政の面から                         

   ・深浦町の方針としてコンピューター教育に力を入れている。そのためインターネ

    ットの接続工事費や電話代などの諸経費に対して町から補助金が出る。    

   ・町から創造豊かな学校づくりの指定を受け,平成11年度はデジタルカメラその

    他の周辺機器を購入した。インターネットを活用した教育の研究と実践が期待さ

    れている。               

  D横断的,総合的学習                       

   ・「深浦町の紹介HPづくり」は社会科と理科を横断的に学習するだけでなく,そ

    の他の教科をも含んで合科的に学習される。また,体験活動も豊富に取り入れる

    ことができる。               

  E多様な学習形態,指導体制                     

   ・現在清掃活動は全校を縦割りにして行っている。また,学校行事「学校ビンゴ」

    「豆まき集会」等でも同じメンバーで行動するがるが子どもたちは生き生きと活

    動している。このように学年に関係なく活動する機会を増やしたい。また,学習

    支援体制として来年度はTTのための教員加配を申請している。

  F英会話への取り組み                       

   ・一週間に一度英語指導助手が学校を訪問して英語クラブの子どもの指導に当たっ

    ている。クラブ活動は新学習指導要領では弾力的に運営されることになるが,英

    語指導助手等をうまく活用すれば,HPを利用した国際理解教育の推進を図るこ

    とができる。英語指導助手の協力によってドイツと交流をした滋賀県平野小学校

    の実践が参考になる。

   これらのことを考慮して総合的学習の中心に「深浦町の紹介HPづくり」を据えて

  全体の指導計画を作成することとした。

 

2.インターネット活用について

   インターネットの利用方法としてどのようなものがあるのだろうか。これまでに筆

  者が実践してきたことや他校との交流などによって知り得たことをまとめてみた。

   以下にねらいや具体的な例をあげて,インターネット活用による学習効果について

  述べていくことにする。

 

 1各教科でのインターネットの活用例

   インターネットの活用については,拙著「インターネットを利用した社会科学習」

  (1997年)に詳しく述べてあるが,大きく分けて次のような目的で行われる。

 
 
・HP訪問による情報収集   ・メールによる交流

・HP作成による情報発信   ・その他,フェニック利用など 

 

  学習の段階では,問題をつかむ段階・探究段階(調査活動)・まとめや表現の段階

  その他の段階で活用される。以下に具体的な活用例を述べるが,総合的な学習の時間

  だけでなく学級の実態に応じてそのいくつかに取り組んでみることが大切である。

 

   @国語

    ・物語や説明文について,感想・意見の交換をする。(学習ネットワーク)

    ・他都道府県の小学校との交流による方言調べ

    ・教科書にのっている物語の背景となった地域や作者について調べる。

      「ごんぎつね」愛知県半田市 新美南吉関連の資料など

    ・本の検索のページ利用

   A社会科

    ・情報収集の主な例

      4年 各地のくらし(低地・高地・南・北)

      5年 日本の産業・運輸業・通信業・環境・その他

      6年 日本の歴史・政治・世界の国々

      メールボランティアの利用

    ・交流による情報収集の例

      豊田市の小学校と自動車工場見学の打ち合せ・調査依頼

      四日市の小学校と「ぜんそく」や公害についての情報交換

    ・意見交換による思考力・判断力の育成

      歴史討論等(千葉富里第一小)

    ・情報発信

      深浦小学校・深浦町・歴史などの紹介

    ・古代米プロジェクトに参加

    ・歴史クイズに挑戦

   B算数

    ・算数大会にチャレンジ(学習ネットワーク)

    ・インターネットを利用した操作活動 (図形の仲間分け等)

   C理科

    ・植物の観察や栽培等のプロジェクトに参加(桜の開花だより・ケナフ栽培等)

    ・動植物についての資料収集

    ・アメダス等を利用した気象と天気の学習

   D図工

    ・いろいろな作品の鑑賞

    ・全国絵画展に参加(新潟)

    ・多彩な画像を利用したプロジェクトに参加(宮崎大学附属小)

   E音楽・家庭・体育

    ・曲の作詞・作曲者・背景等を調べる。

    ・創作した曲の紹介による交流

    ・食物とカロリー・栄養の計算をネット上でする。

    ・各種の運動方法の情報収集など。

   Fいろいろな小学校との交流

    ・「深浦小学校」との交流

     深浦小学校という同名の小学校が他県に4校あるのを確認している。

     その中でインターネットに接続できる山口県の小学校である。

    ・サケ・マスの放流や地引網をしている小学校との交流

   Gパソコンクラブの活動

    ・クラブの時間を活用して,いろいろな学校のHP(ホームページ)を訪問した

     り他校児童とのメール交換をして親睦を深める。

 

 2総合的学習での利用

   特色ある教育活動の展開のための実践事例資料集(文部省)には総合的学習にコン

  ピューターを活用した11の小学校の例が紹介されている。

   これらの小学校はHP作成やメールによる交流などにも積極的に取り組んでいるが

  HP作成している場合は,テーマは自分たちの郷土を調べて発信するというものが多

  い。「地域にふれる・学ぶ・つくす」「ふるさと・・・」などである。ここでは社会

  科などの教科学習を横断的・総合的にとらえている。

   それでは深浦小学校がHPを作成して発信できるものはなんだろうか。

   筆者は,前掲「インターネットを利用した社会科学習」で,青森県から発信できる

  ことして,三内丸山遺跡(縄文時代)の紹介・雪国のくらし・日本一のりんごづくり

  津軽塗・ねぶた祭などについてふれた。(実践の詳しい内容は拙著を参照して頂きた

  い。)

   深浦町の場合は,日本海に面した水産業と観光の町であるということを中心に,次

  のように考えてみた。

 

  [深浦町紹介HPの主な構成]

 

 
 

 表紙と目次(index) 
 学校の沿革

 

全体像紹介

 

校区・児童等

 

学校の歴史

 

交章・校訓等

 

 校  歌

 

 パソコン部

 

 学校紹介

 

 1・2年生の生活科で調べたことを中心とする。

 

 

 3・4年生で調べたことを中心とする。

 

 

 6年生が調べたことを中心とする。

 

 

 6年生が調べたことを中心とする。

 

 

 1・2年生の生活科で調べたことを中心とする。

 

 2年生の生活科で調べたことを中心とする。

 (4年生でもよい)

 

 3・4年生で調べたことを中心とする。

 

 

 4年生が調べたことを中心とする。

 

 

 5年生で調べたことを中心とする。

 

 

 6年生で調べたことを中心とする。

 

 

 6年生が調べたことを中心とする。

 

 深浦町紹介

 

 ねぶた祭り

 

 深浦の歴史

 

ゆきとあそぼう

 

北国のくらし

 

海と人々のくらし

 

青森県と深浦町

 

深浦町と水産業

 

 サケの放流

 

インターネットで結ぶ世界の国々 

 
 

 そ の 他

 

 子どもの興味・関心を重視したHP

 全学年

 

 

   現在パソコン部を中心に学校の沿革のページを作成し,発信している。一部だけが

  完成した「仮のHP」であるが,大阪教育大の全国の学校のページをはじめいろいろ

  なHPからリンクを張られている。

 

 3各学年のパソコン指導計画

   情報リテラシーを育成するために,各学年で次の表のような操作や活動を考えてみ

  た。低学年では,パソコンやソフトの最も基本的な操作である「起動・終了」を確実

  にできるようにする。また,フリーズした場合は必ず教師に報告して処置してもらう

  ことを確認する。同時に初めての操作が楽しくできるようにキーボードゲームや簡単

  な算数クイズなどに取り組む。

   中学年では簡単なHP作成やメール送信があるが何れも教師の援助を受け,校外に

  送信したり発信する場合はネチケットなどルールを守ることを重視したい。

 
 

 学 年  パソコン操作等  HP訪問・HP作成  ワープロ技能
 

 1 年

 

 

・パソコンの起動

 と終了

・ソフトの起動と 終了 

 

・教師が指定したHP

 を開き,見た後ソフ

 トを終了する。

 

・自分の名前をひら

 がな入力する。

(「メモ帳」利用) 

 

 2 年

 

・いろいろなソフ

 トで遊ぶ。

・保存する。

・教師が指定したHP

 を開き,見た後ソフ

 トを終了する。

・名前・単語等を入

 力できる。

・漢字変換する。 

 

 3 年

 

・学習用の簡単な

 ソフトを利用す

 る。

・フロッピーに保

 存する。

 

・教師が指定した学校

 内のHPだけを訪問

 する。

・HPの画像などに短

 文を書く。

 

・決められた短い文

 を入力。句読点つ

 け,改行などをす

 る。

 

 

 4 年

 

・ソフトを使って

 絵をかく。

・2つ以上の画面

 を開く。

 

・目的に応じて幾つか

 の学校や団体・個人

 作成のHPを訪問。

・メールを送る。

・HPの画像などに短

 文を書く。

・自分の考えを入れ

 て短い文を入力。

 

・ワードか一太郎を

 利用

 

 

 5 年

 

・いろいろなソフ

 トを使う。

・2つ以上の画面

 で文などの情報

 を移動する。

 

・目的によっては検索

 をしたり,URLを

 入力して訪問する。

・メールの送受信

・画像を拡大・縮小し

 たり配置替えする。

・簡単なHP作成

・簡単な作文を入力

 

 

・ワードか一太郎を

 利用

 

 

 6 年

 

・いろいろなソフ

 トを使う。

・表計算のソフト

 の初歩の使い方

 を知る。

・目的によっては検索

 をしたり,URLを

 入力して訪問する。

・メールの送受信

・HPの作成 

・作文を入力。

 

・ワードか一太郎を

 利用

 

   インターネットを利用した情報収集や情報発信ができることを中心的なねらいとし

  て,1〜6年まで段階的に列挙してみた。これは画一的この順序でに指導していくと

  いうのではなく,児童の実態に合わせて弾力的に考えたい。児童が自分の思いを自由

  に表現する楽しさを味わえることを重視したいからである。

 

 4今年度の取り組み

   今年度の教育課程編成では,インターネット接続とコンピューターの利用が計画さ

  れていなかったため,時数が十分確保されていなかった。

   しかし,深浦町が推進している「創造豊かな学校づくり」事業によってインターネ

  ット環境が完備されたので,教育課程を一部変更して,インターネットを活用した学

  習活動を計画していかなければならない。

   また,平成14年度から実施予定の新学習指導要領では「指導計画の作成等に当た

  って配慮すべき事項」の一つとしてインターネットの活用を強調している。指導者で

  ある教師が,パソコンに慣れ親しみ研究することも求められている。

   そこで,今年度は3学期を中心に次のような取り組みを考えた。

 

  @ゆとりの時間(深小タイム)等を利用してインターネット接続とHP訪問の方法を

   学習する。その時間はTT方式をとり,パソコン担当者が主となる。

 

  A教科学習で問題解決をいっそう重視する。そして「調べる活動」でインターネット

   を積極的に活用する。問題解決の資質や能力を育てることは新学習指導要領の総合

   的学習で強調されていることの一つである。インターネットを利用する学級がある

   場合,パソコン担当者がバックアップする。

 

  B教科学習でインターネットを学習の題材とする。

   ・5年社会科「通信」の単元

 

  C自由時間にコンピューター室を開放しインターネットを活用させる。ただし,利用

   にあたっては担当教師が支援することを条件とする。

 

  Dコンピューター部を創設

   学級でインターネットを利用する際のリーダーを育成することを主目的とし,各学

   年から希望や推薦をもとに集まり組織する。インターネット操作に慣れ親しむと同

   時に深浦小学校ホームページ作成に取り組む。

 

3.総合的学習指導計画

   

 1 総合的学習の時間と内容

   総合的学習のための時間は,3・4年では105時間,5・6年では110時間と

  なっている。

   この中から,情報を中心にした総合的な学習を行うために,35時間を利用する。

  この時間を基本として他教科や領域と横断的・総合的に学習を展開する。特に国語の

  作文・漢字・ローマ字(4年生からはローマ字入力)の学習,また,社会科の地域学

  習,歴史学習,理科の生物,環境,その他の学習などとは深く関わっている。これら

  の学習を横断的総合的に行った場合,時間数にもっと余裕が出ることになる。

   なお,福祉・国際理解・環境などについては,はまない荘訪問,英語指導助手活用

  白神山地などの学習を考えているが,次稿で詳しく述べたい。

 

2 年間指導計画

 
 
  1 学 期   2 学 期   3 学 期
 
 

 

 

 

 

1年

 

パソコン操作技能習得

・起動と終了

・お絵書き

・ひらがな(メモ帳)

 

 

※国語の時間として

 15時間程度

 

生活科などで学習したことについて

oデジカメでいろいろな写真をとる。

oその中からHPに入れる写真を決めたり,

 かんたんな言葉を入れたりする。 

・がっこうたんけん

・がっこうのまわり  ・ゆきとあそぼう

・ねぶたまつり

・うみであそぼう

  (メモ帳などに書いたものを教師がまとめる)

 

 

 

 

2年

 

パソコン操作技能習得

・起動と終了

・お絵書き,その他

・ひらがな(メモ帳)

・漢字変換

・簡単な作文

・保存

 

※国語の時間として

 15時間程度

 

 生活科などで学習したことについて

oデジカメでいろいろな写真をとる。

oその中からHPに入れる写真を決めたり,

 かんたんな言葉を入れたりする。

 

・深浦駅とお客さん

・学校のまわりの草花

・深浦の海辺を探険

※デジカメでいろいろな写真をとる。

 その中からHPに入れる写真を決めたり,

 かんたんな言葉を入れたりする。

   (メモ帳などに書いたものを教師がまとめる)

 

 

 

3年

 

パソコン操作技能習得

・作文

・HPに絵を入れたり

 簡単な説明を書く

・メールを送る

 

・ふるさと「深浦」発信したいこと

(社会科との横断的学習の場合の例)

・わたしたちの深浦町

・深浦に運ばれる物

 深浦から運ばれる物

・深浦町の行事

・昔の遊び

・くらしの移りかわり

  (教師が支援してHPにまとめさせる)

 

 

 

4年

 

パソコン操作技能習得

・作文

・HPに絵を入れたり

 説明を書く

・メールを送る

・HPを調べる

 

・ふるさと「深浦」発信したいこと

(社会科との横断的学習の場合の例)

・深浦町の人々の生活

・青森県と深浦町

・海と人々のくらし

・深浦の四季

・深浦の方言(教師が支援してHPにまとめる)

  (教師が支援してHPにまとめる)

 

 

 

5年

 

パソコン操作技能習得

・作文

・HPに絵を入れたり

 説明を書く

・メールを送る

・HPを調べる

・ふるさと「深浦」発信したいこと

(社会科との横断的学習の場合の例)

・インターネットと私たちの生活

・白神山地と森林のはたらき

(教師が支援してHPにまとめる)

 

 

 

6年

 

パソコン操作技能習得

・作文

・メールを送る

・HP作成

・その他のソフト利用 

・ふるさと「深浦」発信したいこと

(社会科との横断的学習の場合の例)

・深浦町に残る史跡

・未来の深浦町

・インターネットで結ぶ世界の国々

 

   1学期には基本的な操作と文字入力中心に5時間程度,その後いろいろな操作技能

  を習得するために10時間程度を考えた。この後半の10時間の中には,HP作成に

  関わることや,お絵書きなどの学習も取り入れて,基本的な操作技能を発展させてい

  く。1学期は技能習得が中心となるので,教師が指導する割合が高い。

   2・3学期では児童の興味・関心を大切にし,各教科との合科を考えながら,「ふ

  るさと深浦町」から自分が発信したいものを決める。そして,発信することを目標と

  して探究活動に取り組んでいく。

   ところで,2・3学期に例としてあげたものは,単に例としてあげたもので,その

  全部に取り組むというものではない。学級の子どもの興味・関心,教師自身の教材研

  究の程度等に合わせて選択するものである。

 

 3ホームページ(HP)作成にあたっての工夫

 

  @子どものHP作成意欲を高める。

   HP作成の意欲を高めるためには,作成者以外の人からの評価や励ましなどの「は

  たらきかけ」が大切であると考える(環境設定)。作成者以外というのは同じ学級・

  学年の子ども,同じ学校の他学年の子ども,他校の子どもなどである。また,地域の

  人々など関わりのある大人も含まれる。

   これらの人々からの「はたらきかけ」によって,HP作成の目的意識や,一度作成

  したHPを改訂したりする目的意識が芽生えるのである。

 

   ア.他校からのはたらきかけ

     HP作成にあたっては,他校から「・・・・・のようなHP」を作ってほしい

    という要望を出してもらう。この方法が非常に効果的であるということについて

    は,拙著を参照して戴きたい。(「インターネットを利用した社会科学習」 三内丸山遺跡のHPづ 

    くり,地域の産物のHPづくり,自動車工場の見学などを例に述べた。)

     また,作成したHPについて感想や質問を寄せてもらえば,改訂の意欲づけに

    なる。

 

   イ.他学級からのはたらきかけ 

     作成したHPを学級以外の子どもが見れるようにするには,校内のサーバーに

    保存して,各コンピューターから開いて見るという方法をとる。

     いろいろなHPを見ることによって,画面構成などプレゼンテーションのため

    の技能も高まる。また,相互鑑賞によるアドバイス等も効果がある。

 

   ウ.地域の人々など関係者からのはたらきかけ

     指導要領詳説にある「幅広く外部に活動の状況や成果を公表し,地域の人々の

    さまざまな協力,反応を得る・・・」ということから,HP作成に関わって多く

    の人々に協力して戴くこと,また,出来上がったHPについて感想や意見を伺う

    ことが大切であり,意欲づけにつながる。ただ,この場合は次項に述べるが,H

    Pの非公開,または一部限定の公開が必要ではないだろうか。

 

  AHPの非公開

     子どもが作成するHPの中には個人のプライバシーにかかわることや顔がはっ

    きりわかる写真なども取り入れられることが多い。このようなHPを不特定多数

    の人々に公開するのは問題である。

     しかし,一方では具体的な活動の写真などが入らないと充実したHPとならな

    いことも多い。そこで,リンクを張らないHPを作成し,特定の信頼できる交流

    校にURLを知らせて見てもらうという方法がよいと考えている。

 

  BHP作成を目的にして,体験的活動や調査・探究活動をいっそう重視する。

     学習が教室内,また,授業時間だけにとどまることなく幅広くなされるよう発

    展性のある活動を取り入れる。深浦町の場合,漁協や歴史資料館等との連絡を密

    にし,年間を通して(必要に応じて)訪問できる体制を整えておく必要がある。

 4他の小学校との交流にあたっての工夫

 

   掲示板を利用した書込みをさせる方法を考えた。この方法の利点としては次のこと

  があげられる。

   o児童がそれぞれメールアドレスを持たなくても,自分のパソコンを使ってインタ

    ーネットの画面に自分のメールを書込みできる。

   o学級の子どもたちの書込みが一覧できるので,子ども一人一人の個別的な交流に

    ならない。個別のメール交換は閉鎖的になりがちで学級全体の取り組みに高めら

    れないことが多いが,その欠点を補うことができる。

   o交流校からの返事も同じ画面に書込みされるので,交流の経過が分かりやすい。

   ところで,掲示板を利用した書込みの大きな問題点は,掲示板が不特定多数の人に

  公開されるということである。東通村目名小学校では6年生の「戦時中のくらし」の

  学習で掲示板を利用している。テーマを設定して数校の子どもたちに調べたことや意

  見などを書き込むというものであった。多数の子どもの多彩な書込みがあって,大き

  な成果をあげていた。ただ課題としては掲示板が公開されているため,学校関係者以

  外にも広く見られてしまうことである。現在インターネットが抱えているプライバシ

  ーの保護や悪意の第三者への対抗等ができない。

   この問題に対処するために次のような方法を考えた。

 

   o現在深浦小学校が所属している「基幹ネットサービス」の「県民広場コーナー」

    を利用すること。ここではパスワードを打ち込んで交流関係者だけが利用できる

    ようになっている。ここに交流の相手校を登録しておけば,一般には非公開の掲

    示板的利用が可能である。深浦小学校では,現在県民コーナー利用の許可を得て

    手続きも完了している。

   o非公開の掲示板

    CGIを使用できるサーバーであれば,掲示板を作れるわけであるが,掲示板の

    利用にあたってホームページとはリンクを張らず,交流校だけに掲示板のURL

    を知らせて利用するという方法である。

 

X.まとめと今後の課題

 

  総合的学習におけるインターネットの活用について,HPを作成して郷土の紹介をす

 ることを中心に述べてきた。学習の中心が「調べること」から「発信すること」に移る

 ことによって,幅広い学習活動がなされるとともに,ともすると社会科など特定の教科

 にとどまっていた活動が,「表現力」の育成を伴って横断的・総合的に行なわれること

 になる。

  また,HP作成や他校との交流における留意点についてもふれてみた。

  課題はインターネットに取り組む学校と広く交流するための環境設定などが,スムー

 ズに進められるかということ,また,児童に無理なく情報とコンピューター操作のリテ

 ラシーを育成するための,手順・方法を考えることなど等である。なかでも,教育現場

 の切実な問題はコンピューターやインターネット利用についての共通理解や指導者とし

 ての教職員自身の操作技能の向上である。次稿の課題としたい。

 

参考・引用文献(インターネットはURLを表記)

 

1.文部省 1999 特色ある教育活動の展開のための実践事例学習活動・情報の学校

     以下の情報教育に取り組んでいる学校の実践を参考にした。

        埼玉越ケ谷小・神奈川本町小・神奈川淵野辺小・山梨教育大附属小

       岐阜大薮小・岐阜赤坂小・滋賀平野小・和歌山有功東小・岡山平福小

       徳島三庄小・宮崎大学附属小など情報教育に取り組んでいる学校の実践を

       参考にした。 

2.山口大附属小 2000 全国総合おすすめメニュー 山口大学教育学部附属小学校 

3.文部省学習指導要領・指導要領解説「総則」 

4.北俊夫 1999 パソコンインターネットで拓く新社会科の授業づくり 明治図書 

5.高階伶治 1996 実践クロスカリキュラム 図書文化 

6.秋田大学附属小 1998 総合的な学習への挑戦 教育出版 

7.天内純一 1998 インターネットを利用した社会科学習 弘前大学教育実践センター 研究報告書第6号 

8.笹原克彦 1997 子どもの学習意欲を引き出し,表現力を高めるコンピューター教育利用 富山大学内地留学報告書 

9.奈良女子大附属小学校平成9年度研究発表会紀要 

 

海や水産業のHP 

・阿波小学校    http://www.lucksnet.or.jp/~abasyou/gyouji.html      

・岡山早島小学校  http://www.icity.or.jp/hayasyo/1998/index.html

・荒浜小学校    http://www2.justnet.ne.jp/~okuno/WELCOME.HTM 

・魚津市村木小学校 蜃気楼 サケの放流 http://www.city.uozu.toyama.jp/muraki/H08/index_00.htm 

・新潟 名立小学校  http://academic1.plala.or.jp/nadachi1/index.htm     

・ふるさとの海に親しむ会  http://www.d1.dion.ne.jp/~yamataro/index.html  

・豊橋市高根小学校 地引網 http://www.tec.toyohashi.aichi.jp/gakkou/takane/index1.htm

・新潟 磯部小学校 地引網     http://www9.big.or.jp/~hyperst/nou/school/  

・豊橋市細谷小学校 地引網 http://www.tec.toyohashi.aichi.jp/gakkou/hosoya/index1.htm

・魚津市立経田小学校 地引網  http://www.city.uozu.toyama.jp/kyouden/html/top.htm   

・東京新島若郷小学校 地引網  http://www.niijima.com/wakagousyo/ 

・鹿児島池田小学校(池田学園)  http://www.minc.ne.jp/ikeda/        

・熊本 鍋小学校  http://www.infobears.ne.jp/school/nabe/index.html    

北国青森からの情報発信(三内丸山・雪国のくらし・日本一のりんごづくり・津軽塗・古代米・群馬県尾島町のねぶた祭り・調べ学習リンク集等)

  http://www.siva.hirosaki-u.ac.jp/〜amanai/index.html