2011.9.2-

グラフで考える「豆電球と乾電池」

弘前大学 小山智史

 小学校では豆電球を乾電池につなぐ実験をします。2個の豆電球を直列や並列につないで、明るさの変化を観察したりもします。ここでは、このことについてグラフを使って考えてみます。

1. 電球の点灯

1.1 豆電球を乾電池につなぐ

 ここに 1.5V 0.3A の豆電球があります。豆電球の抵抗値は、

R = 1.5 / 0.3 = 5 [Ω]
です。この豆電球を乾電池に接続すると電球が光ります(図1)。この時の豆電球の消費電力は
P = E × I = 1.5 × 0.3 = 0.45 [W]
です。

図1 豆電球を乾電池につなぐ

1.2 2個の豆電球を並列につなぐ

 同じ豆電球をもう1個用意し、並列に接続してみます(図2(a))。消費電力は、それぞれの電球が 0.45W なので、合わせて 0.9W となります。


(a) 同じ電球の並列接続

(b) 異なる電球の並列接続
図2 豆電球の並列接続

 異なる電球を並列につなぐとどうでしょうか。今、 1.5V 0.3A の電球1と、1.5V 0.6A の電球2を並列に接続したとします(図2(b))。それぞれの電球の抵抗値は

R1 = 1.5 / 0.3 = 5 [Ω]
R2 = 1.5 / 0.6 = 2.5 [Ω]
で、それらに流れる電流は I1=0.3A 、I2=0.6A 、消費電力はそれぞれ P1=1.5×0.3=0.45W、P2=1.5×0.6=0.9Wで、合わせて 1.35W となります。

1.3 2個の豆電球を直列につなぐ

 今度は2個の豆電球を直列に接続してみます。まずは、1.5V 0.3A の電球を2個直列にする場合です(図3(a))。電球に流れる電流は

I = (E1+E2) / (R1+R2) = 1.5 / 10 = 0.15 [A]
で、それぞれの電球の両端の電圧は
E1 = E2 = 0.15 × 5 = 0.75 [V]
それぞれの電球の消費電力は
P1 = P2 = 0.75 × 0.15 = 0.1125 [W]
で、2つ合わせても 0.225W にしかならず、1個の場合の半分の明るさです。

 整理すると、同じ電球を2個用意した場合、並列接続(図2(a))すれば1個の時(図1(a))の「倍の明るさ」、直列接続(図3(a))すれば「半分の明るさ」になります。


(a) 同じ電球の直列接続

(b) 異なる電球の直列接続
図3 豆電球の直列接続

 異なる電球を直列につなぐとどうでしょうか。今、 1.5V 0.3A の電球1と、1.5V 0.6A の電球2を直列に接続したとします(図3(b))。R1=5Ω、R2=2.5Ωで、2つの電球に流れる電流は

I = (E1+E2) / (R1 + R2) = 1.5 / 7.5 = 0.2 [A]
です。それぞれの電球の両端の電圧は
E1 = I × R1 = 0.2 × 5 = 1[V}
E2 = I × R2 = 0.2 × 2.5 = 0.5 [V]
消費電力は
P1 = E1 × I = 1 × 0.2 = 0.2 [W]
P2 = E2 × I = 0.5 × 0.2 = 0.1 [W]
合わせて 0.3W です。

 並列(あるいは単独)では電球2が明るく、直列では電球1が明るいということにも注目してください。

1.4 グラフで考える

 2つの異なる電球を直列接続した場合(図3(b))の電圧・電流を、グラフを使って求めてみます。

 まず、図3(b)を図4(a)のように書き換え、図の破線箇所の電圧Eと電流Iに着目します。


(a) 図3(c)を書き換えた図

(b) 破線左側

(c) 破線右側
図4 異なる電球の直列接続

 図5(a)は、2つの電球の電圧電流特性、つまり加える電圧を変化させた時にどのような電流が流れるかを示したグラフです。これは以下のそれぞれの関係をグラフで示したものとなっています。

I = E/R1 = E/5
I = E/R2 = E/2.5

 ここで、図4の破線左側(b)について考えると、 E と I の関係は

I = (1.5 - E ) / 5
となり、図5(b)のグラフのひとつはこれを示したものです。図4(b)の破線右側に何を接続しようとも、EとIはこのグラフの線上にあります。この線は「負荷線」と呼ばれます。例えば、破線箇所を短絡すると E=0[V], I=1.5/5=0.3[A] となり、破線箇所を開放すると E=1.5[V], I=0[A] となります。

 図4の破線右側(c)についての E と I の関係は、R2=2.5Ω の特性そのもので、これが図5(b)の I=E/2.5 のグラフです。これも負荷線の時と同様に、破線の左側に何を接続しようとも、 E と I はこの線上にあることを示すグラフです。

 ここで、図4(a)のように破線の左右を接続すると、 E と I は同じ値になりますから、図5(b)の2つのグラフの両方を満たす点、つまり交点になるということです。この交点のことを「動作点」といいます。グラフから E=0.5V, I=0.2A と読み取ることができます。


(a) 2つの電球の電圧電流特性

(b) 破線箇所の電圧と電流
図5 直列接続時の電圧と電流をグラフから求める

1.5 特性が与えられた2つの電球の直列接続

 電球のフィラメントは温度が高くなると抵抗値が大きくなる性質を持っています。2つの電球の電圧電流特性が図5(a)ではなく図6(a)のようになっているとします。電圧が低くなるとフィラメントの温度が下がり、抵抗値は小さくなり抵抗値が一定(直線)の時に比べて大きな電流が流れます。図4で、電球1の特性を f1( ) 、電球2の特性を f2( ) とします。

 考え方は前項と同様で、図4の破線左側(b)について考えると、破線右側に何を接続しようとも、 E と I は I=f1(1.5-E) の負荷線上にあります。また、図4の破線右側(c)について考えると、破線左側に何を接続しようとも、E と I は I=f2(E) の線上にあります。両者を満たす点として、2つのグラフの交点(動作点)を読み取ると、およそ E=0.3V, I=0.27A です。電球1に加わる電圧は 1.2V、電球2に加わる電圧は 0.3V で、消費電力は

P1=1.2 ×0.27 = 0.32 [W]
P2=0.3 ×0.27 = 0.08 [W]
となります。


(a) 2つの電球の電圧電流特性

(b) 破線箇所の電圧と電流はそれぞれの線上にある
図6 特性が与えられた2つの電球を直列接続した時の電圧と電流の求め方

(練習) 図7(a) のように、40W の電球1と 100W の電球2を直列接続してACコンセント(100V)につないだ。以下の各々の場合について、各電球に加わる電圧、流れる電流、消費電力を求めなさい。
(1) 電球を単純な抵抗と考えた場合
(2) 電球の特性が図7(b)のようであった場合
(3) 40Wの電球1の代わりに250Ωの抵抗を接続した場合


(a) 電球の直列接続

(b) 電球の電圧電流特性
図7 電球の直列接続

2. LEDの駆動

 赤色LEDを電池に接続して点灯させたいとします。まず、図8(a)のように電池(1.5V)に接続してみますが、点灯しません。電圧が足りないのもしれないと思い、図8(b)のように電池を2本直列(3V)にすると、一瞬明るく点灯しますが、すぐに消えてしまいました。LEDが破損したようです。


(a) 赤色LEDに電池(1.5V)を接続

(b) 赤色LEDに電池(3V)を接続

(c) 抵抗を挿入した接続
図8 赤色LEDの接続

 これはどう考えたらいいのでしょうか。

 赤色LEDのカタログ(仕様)を見ると、

のような記載があります。これは、それぞれ ということを表しています。

 赤色LEDは概ね図9(a)のような電圧電流特性になっています。2Vぐらいまではほとんど電流が流れずに、2V近辺から電圧を上げると急激に電流が増加するという特徴を持っています。この特性を念頭に、先程の電池とLEDの接続について考えてみましょう。このグラフを見ると、LED両端の電圧が1.5V(図8(a))では、ほとんど電流が流れません。つまり、LEDは点灯しないのです。

 一方、LED両端の電圧が3V(図8(b))の時は、このグラフの範囲外になりますが、LEDの最大定格である30mAを超える大きな電流が流れてしまうことがわかります。LEDを破損してしまうのです。

 ではどうしたらいいでしょうか。図8(c)のように直列に抵抗を挿入するというのがその答えです。今、その抵抗の値が200Ωであったとします。1章の時と同様に考えると、 E と I は

という2つの条件を満たさなければならないので、2つのグラフの交点(動作点)がその解となります。図から E=1.9V, I=5.5mA と読み取れます。


(a) 赤色LEDの電圧電流特性

(b) 抵抗(200Ω)を挿入した場合の電流の求め方
図9 赤色LEDに流れる電流

(抵抗値の決め方)
 LEDに直列に接続する抵抗の値はどのように決めればいいでしょうか。まず、LEDのデータシートで順方向電流 IF の最大定格と、順方向電圧 VF を調べます。 IFmax=30mA, VF=2.1V であったとします。ここで、流したい電流を決めます。最大定格の範囲内で、例えば IF=5mA に決めます。5mA の電流を流した時の電圧が VF=2.1Vであると考えます(大きく違いません)。電源の電圧が 3V であれば、抵抗に加わる電圧は 3-2.1=0.9V となります。0.9V 加わった時に 5mA の電流が流れるようにするには、

R=0.9/0.005=180 [Ω]
にすれば良いことになります。通常は、電流を厳密に決めなければならない事情はないので、このような方法で抵抗値を決めます。

(練習) DC5V の電源に青色LEDをつなぎたい。電流を概ね5mAとするには、直列に入れる抵抗の値はいくらにしたら良いか。ただし、順方向電圧 VF=3.2V とする。

3. スチロールカッター

 いずれも0.28mmφの、銅線とステンレス線とニクロム線があったとします。これらを10cmの長さに切って乾電池につなぎ、スチロールカッターを作ることを考えます(図10(a))。


(a) 基本回路

(b) 電池の内部抵抗を考慮
図10 スチロールカッター

 これらの金属の電気抵抗率から0.28mmφ10cmの電線の抵抗値を求めたのが表1です。

表1 電気抵抗率と電線(0.28mmφ10cm)の抵抗値
 電気抵抗率[Ωm]電線の抵抗値[Ω]
1.68×10-80.0273
ステンレス7.2×10-71.17
ニクロム1.5×10-62.44

 これらの電線を1.5Vの乾電池につないだ場合の、電流と消費電力を計算すると表2のようになります。

表2 それぞれの線に流れる電流と消費電力
 電線の抵抗値[Ω]電流[A]消費電力[W]
0.02735582.5
ステンレス1.171.281.92
ニクロム2.440.6160.92

 この結果を見ると、銅線が一番熱くなり、カッターとして十分利用できると思われるのですが、実際にやってみると、銅線よりも電池が熱くなってしまいます。

 これは、電池は理想的な直流電圧源ではなく、図10(b)のように内部抵抗があるためです。内部抵抗を 0.3Ω であるとして、これを考慮してそれぞれの電線に流れる電流、両端の電圧、消費電力を計算したのが表3です。

表3 電線に流れる電流と電圧と消費電力
(電池の内部抵抗が0.3Ωの場合)
 電線の抵抗値[Ω]電流[A]電圧[V]消費電力[W]
0.02734.580.1280.573
ステンレス1.171.021.191.28
ニクロム2.440.5481.340.73

 意外にも、抵抗値が中間のステンレスが最も消費電力が大きいという結果です。

 図11は、電池の電圧と内部抵抗で決まる負荷線と、銅、ステンレス、ニクロムの各線の抵抗値で決まる電圧電流特性をグラフにしたものです。その交点(動作点)がそれぞれの線を接続した時の電圧と電流になっています。


図11 電池の負荷線と各金属線の電圧電流特性

図12 Rを変えた時の消費電力P

 では、この電池からはいったい外部に最大どれだけの電力を取り出せるでしょうか。また、それは何Ωの抵抗をつないだ時でしょうか。

 図10(b)でRに流れる電流は

I = 1.5 / (0.3+R)
R両端の電圧は
E = I × R = 1.5 × R / (0.3+R)
Rの消費電力は
P = E × I = 1.52 × R / (0.3+R)2
となります。図11では、原点と動作点を結ぶ線を対角線とする長方形の面積が消費電力を表すことになります。

 接続する抵抗の値 R を変えた時に消費電力 P がどのように変化するかを示したのが図12です。

 Pが最大となるRは、

dP/dR = 0
より R=0.3Ω の時であことがわかります。その時の消費電力は P=1.875W で、これがこの電池から取り出せる最大の電力です。スチロールカッターのように、電池からなるべく多くの電力を引き出したい場合は、以上のことを考慮して電線の材質や太さを吟味する必要があります。

(練習) 表1の電気抵抗率から、同表にある電線(0.28mmφ10cm)の抵抗値を、表計算ソフトを用いて計算しなさい。

(練習) 内部抵抗が0.3Ωの電池を2個並列につなぐと、見掛け上 1.5V 0.15Ω の電池となる。この場合、表3がどうなるかを表計算ソフトを用いて計算しなさい。また、図11に相当するグラフを描きなさい。

(練習) 内部抵抗が0.3Ωの電池を2個直列につなぐと、見掛け上 3V 0.6Ω の電池となる。この場合、表3がどうなるかを表計算ソフトを用いて計算しなさい。また、図11に相当するグラフを描きなさい。

4. コンセントの発火事故

 コンセントの発火事故がニュースになることがあります。

 今、ACコンセント(100V)に 2kW の電気ストーブをつないでいるとします。電気ストーブの抵抗値は

P=1002/R = 2000
より R=5Ω です。基本的な回路は図13(a)のようになります。


(a) 基本回路

(b) コンセントの接触抵抗を考慮
図13 電気ストーブ

 コンセントは抜き差し可能な作りになっているため、接触面積が十分広く確保されているとわけではありません(図14(a))。ここで、接触部分を図14(b)のように模式的に考えてみます。0.02mmφの銅線 1mm の抵抗値を計算すると 0.0535Ω となります。ケーブルなど他の抵抗を考えずに、また接触抵抗も1箇所のみ考えることにすると、図13(b)のように考えることができます。この時、回路に流れる電流は

100 / (0.0535 + 5) = 19.8 [A]
接触部分に加わる電圧は
19.8 × 0.0535 = 1.06 [V]
接触箇所の電力は
1.06 × 19.8 = 21.0 [W]
となり、この箇所はかなり発熱すると見込まれます。ここに可燃性のホコリなどがつくと、発火に結び付く可能性があります。コンセントが緩い場合などは接触抵抗が大きくなり、発熱も大きいと考えられます。


(a) 接触の様子

(b) 接触部のモデル化
図14 コンセント

5. トランジスタ回路

5.1 小信号電圧増幅回路

 最後は、トランジスタ回路について考えてみます。

 まずは、マイクロホンなどの小信号を電圧増幅する回路です。

 図15(a)はベース回路です。ベース・エミッタ間の電圧電流特性は、VF=0.7V のダイオードの特性となり、図16(a)のようであったとします。今、ベース電流を IB=10μA にしたいとすると、LED(2章)の「抵抗値の決め方」と同様の方法で

RB = (3-0.7) / IB = 2.3 / 0.00001 = 230kΩ
となります。図15(a)には I=(3-E)/230000 の負荷線も表示されているのですが、I が小さいため、見にくくなっています。

 ここで、図15(b)のように交流小信号を加えると、 IB を 10μA を中心に微小変化させることができます。ここでは、マイクから 2mV の微小信号を加えた時にベース電流が 2μA 変化したとします。

 次にコレクタ回路(図15(c))について考えます。 図16(c)でIC, VCEは IC=(3-VCE)/1000 の負荷線上にあります。また、コレクタ・エミッタ間の電圧電流特性は、IBによって変化し、 IB=10μA であったとすると、該当する線上にあります。これらの交点(動作点)を読み取ると、 VCE=1V, IC=2mA となります。

 IB=9〜11μA と変化すると、それぞれ図16(c)のように電圧電流特性は概ね上下に並行移動するように変化し、これにあわせて動作点も変化します。グラフから電圧の変化分はおよそ 0.3V と読み取れます。


(a) ベース回路

(b) 交流小信号を加える

(c) コレクタ回路

(d) 小信号増幅回路
図15 トランジスタ回路

 図15の(b)と(c)を合わせて描いた回路図が(d)で、これまでのことをまとめると次のようになります。

  1. マイクの信号を加え ベース・エミッタ間の電圧 VBEを微小変化させる(2mV 変化)。
  2. ベース電流 IB が 10μA を中心に 2μA 変化する。
  3. コレクタ・エミッタ間の電圧電流特性が変化する。
  4. 動作点が変化する。
  5. VCEの変化量は0.3Vで、入力した VBE の変化分 2mV の150倍となっている。
このように小信号の電圧増幅が行われるのです。

 なお、小信号の入力電圧がプラス方向に変化するとベース電流 IB は増加し、コレクタの電圧電流の特性は上方向に並行移動するような感じで変化し、動作点は左上に移動し、VCEはマイナス方向に変化します。このように、入出力の信号波形は反転することになります。


(a) ベース回路の電圧電流特性

(b) コレクタ回路の電圧電流特性
図16 トランジスタ回路の電圧電流特性

※ 本章は、トランジスタの特性を具体的に仮定しています。もしも実際に実験で確かめようとする場合は、トランジスタの固体差が大きいので、VCEが1V程度になるようにRBを選ぶと良いでしょう。例えば手元にあった2SC945では、RB=820kΩ が適当でした。実際の増幅回路では、トランジスタの固体差が問題にならないように工夫されています。

5.2 デジタル回路(NOT回路)

 デジタル回路では、「1」を高い電圧、「0」を低い電圧に対応させて扱います。NOT回路は図17(a)のようなトランジスタ回路で実現できます。前節の小信号増幅回路と比べると、RB が5kΩと小さくなっています。これにより、図18(a)の負荷線は図16(a)と比べ急勾配になり、Vin が高い場合(例えば3V)は十分大きなベース電流(図では約0.24mA)が流れます。


(a) NOT素子の回路例

(b) 入出力特性
図17 NOT素子の回路例と入出力特性

 Vin を変化させた場合、例えば2Vにすると図中矢印のように負荷線が移動し、これに伴いベース電流が変化します(図では約0.14mA)。Vin を小さくしていくと、0.7V 近辺からベース電流は急激に小さくなり、0.5Vから下ではほとんど0になります。ベース電流の値が決まると、コレクタ・エミッタ間の電圧電流特性は図18(b)のように変化します。図には IB=0 と IB=30μA のグラフしか描いていませんが、例えば IB=0.24mA, 0.14mA の時などは、IB=30μA のグラフをずっと上に並行移動したような特性になります。といっても、この図を見ると IB=20μA 以上での負荷線との交点(動作点)は VCE≒0 です。

 このようなことを考慮し、 Vin と Vout (VCE) の関係をグラフにすると、図17(b)のようになります。 Vin が低い電圧(例えば 0.6V 以下)の時は Vout(VCE) は高い電圧(約3V)になり、 Vin が高い電圧(例えば 2V 以上)の時は Vout(VCE) は低い電圧(ほぼ0V)になります。この回路をNOT素子として利用する場合は入出力特性のこのような特徴を利用しています。

 一方、この回路を小信号増幅回路として見た場合は、図17(b)で Vin を 0.9V 付近で微小変動させると、Vout は 1.5V 付近で大きく変動することがわかります。


(a) ベース・エミッタ間の電圧電流特性

(b) コレクタ・エミッタ間の電圧電流特性
図18 NOT回路の動作

(練習) 図19に示すAND素子およびOR素子の回路例について、負荷線で動作を検討しなさい。


(a) AND素子の回路例

(b) OR素子の回路例
図19 AND素子およびOR素子の回路例

koyama@cc.hirosaki-u.ac.jp