メロディートイレの製作♪
弘前大学大学院教育学研究科 院生 川守理己
2005年7月28日

【コンセプト】
人間にとって排泄は毎日行われる行為である。その行為が優雅なひと時となれば、現代の慌ただしい毎日におけるオアシスともなるのではないか。そのようにとらえ、製作したいと考えた。このアイディアは、メロディーの流れる血圧計から得たものである。便器のふたを上げたとたんに、電子オルゴールから素敵なメロディーがトイレ内に響き渡ります♪
【製作についての考察】
〈構造面と使用者の関係から〉
洋式トイレは、ふたと便座の2枚を上げることができる構造となっている。このことから使用者を考えた場合、ふたを上げた場合の使用は男女であり、便座も上げた場合の使用は男性のみとなる。よって、当初、各家庭などの男女共用個室トイレ(洋式便器だけがあるトイレ)に設置することを想定していたため、ふたを上げた場合と、便座も上げた場合のそれぞれの場合において違うメロディーが流れるようにしたいと計画した。
〈使用者とメロディーから〉
構造面から考えると、便座も上げた場合の使用者は男性のみと限定される。男性がメロディートイレを小便のみのために使用した場合は、男性の心情面に心地良さが伝わるメロディーを流し、また小便がしたくなった場合には、『是非、メロディ−トイレを使いたい!』と思わせるような選曲をしたいと考えた。また、ふたのみを上げる男女使用の場合は、心地良さを最優先とするためクラシック音楽や、時には切なさたっぷりの『冬ソナ』のメロディーを設定しておくことにより、中高年の女性にたちまち話題となって殺到してしまうことが予想される。例えば、公共の場にこの『冬ソナ』のメロディートイレが設置されたならば、とたんに行列ができてしまい、本来、用を足すための目的であるトイレがアミューズメント的要素を取り入れることにより、用を足すことができない人が出てくるという大変な事態を引き起こす可能性がある。このような状況は大型連休中の高速道路のトイレや祭りでのトイレでよく見られます。女性が男性のトイレになだれ込んでくる様子を見たことがあると思います。このような状況を引き起こさないためにも、メロディーの選曲も重要な課題であると捉えます。
【製作工程】
〈材 料〉

便座 INAX CF-37AT(色はピュアホワイト) インターネットで注文。(7千円程度) 抗菌仕様

ATMEL
AT90S2313 基板全体 基板裏側

スイッチ OMRON SS-01GL-E(0.1A 125VAC 0.1A
30VDC) 回路全体
〈設置場所の変更〉
製作を進める過程で、設置場所の検討を行った結果、学校の男子トイレの洋式便器に設置することに決めたため、便器のふたのみを上げることによってメロディーが流れるように製作することにした。某中学校の来賓用・職員トイレの洋式便器に設置することにしたため、便器のふたを上げたら、その中学校の校歌が流れるようにしようと考えた。
〈工夫点〉
メロディートイレに取り付ける基板には発光ダイオードや電光掲示板もついている。そこで、何か一工夫できないと考えた結果、電光掲示板でカウントダウンを行うことにした。メロディーとカウントダウンでトイレ使用者の心情に迫ることを考えた。

【完成品】

完成品全体 取り付けられた基板 ふたを上げるとスイッチがONになる
〈使用方法・・・例として、メロディートイレ設置の中学校男子トイレに駆け込む男性教員を取り上げた〉
便意を催してトイレに入る。急いでふたを上げると、ふたの裏に取り付けられた基板が現れる。一瞬、何がそこに存在するのかに注意を奪われ、凝視し、便意をも忘れる。その基板をよく見ると、電光掲示板がついており、なんと、既に10秒のカウントダウンが始まってる。残り『7』秒になっているではないか!注意書きがあり、『10秒以内に座りなさい!』という指示があるではないか!なぜ、そのような指示に従わなければならないかを考える暇もなく、そそくさとズボンのベルトを緩め、パンツも下ろして座った時には、電光掲示板の表示は残り『2』秒となっていた。とりあえず、軽い安堵感に包まれながら排泄に意識が移った時に、電光掲示板が『0』となり、“ATMEL
AT90S2313”は何の前触れもなく次のプログラムを実行し始めた。なんと、普段から耳慣れていて、気分が良いときには鼻歌にも出てくる勤務校の校歌ではないか!
電子オルゴールのメロディーの美しさに聞き惚れながら無事、気分良く5分程度の排泄行為を終えた男性教員は、身体的な安定と心理的な安定を取り戻し、激務の待つ現場へ向うべく、トイレの扉を颯爽と開けたのであった。
〈メロディーの変更〉
プログラムでは、音階プログラムを完成させているので、違う曲の楽譜があると、メロディーを入力し直すことが容易にできる。定期的に変更すると使用者にとっても楽しみとなる。
【今後の開発】
メロディーを変更することは簡単に可能である。電子オルゴールの回路をもう1系統増やし、排泄物がトイレ内の水面に着水した際の音が出た場合、この音を感知するセンサーを取り付け、便座を上げた時のメロディーとは違うメロディーが流れるようにすることが考えられる。しかし、おならによる誤作動も考えられ、課題は山積している。