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なんでもリモコン...製作教室(2001.9.6)のページはこちら

2017.4.25 Arduino NANOとtinyBasicで「なんでもリモコン」を作ることができるようになりました(New)!!

2000.11.6-2006.6.9 小山智史(弘前大学)

概要:
1個のスイッチで操作する赤外線リモコンです。操作スイッチは、メカニカル接点スイッチまたはタッチスイッチまたはチルトスイッチの中から利用者に適したものを使います。TVやビデオはもちろん、大概の赤外線式のリモコンの代わりとして利用できます。オリンパスのデジカメもOK!!。最大8個のリモコン信号を利用者が割り当てできます。自動スキャンまたは手動スキャンで利用できます。
対象:
スイッチ操作が困難な方
操作スイッチ:
「スイッチとその実装」のページをご覧ください。

■ 使い方(「スイッチを押す」は、タッチ式では「スイッチ電極に触れる」、チルト式では「指を曲げる」と読み替えてください)

自動スキャン操作(デフォルト)
1度スイッチを押すと、1秒毎に数字表示が1→2→3→...と変化します。表示と連動して「ドレミ~」の音が鳴るので表示を見る必要はありません。その途中にスイッチを押すと、番号(音)に対応するリモコン信号がTVなどに送られます。
手動スキャン操作
スイッチをトントントンと押すと、数字表示が1→2→3→...と変化します。表示と連動して「ドレミ~」の音が鳴るので表示を見る必要はありません。確定したい箇所でスイッチをツーと1秒間押すと、番号に対応するリモコン信号がTVなどに送られます。スキャン操作の途中に3秒間何もしないと、操作はキャンセルされます。
自動スキャン・手動スキャンの切り替え
デフォルトは自動スキャンになっています。基盤上のタクトスイッチを3秒間押し続けると、自動スキャン・手動スキャンが交互に切り替わります。設定は電源を切っても保持されます。
登録信号数のプリセット
基板上のタクトスイッチを押すと1→2→...→8と表示が変化します。設定したい番号のところで3秒間スイッチを押し続けると、登録信号数がその値に設定され、以後、スキャンはその番号まで行われるようになります。設定は電源を切っても保持されます。ただし、登録信号数を1にはできません。
リモコン信号のプリセット
基盤上のタクトスイッチを押すと、1→2→...→8と表示が変化します。設定したい番号にして、基板の受光部(基板左上)に向けてリモコンのボタンを押すと、ブザー音がしてその番号にリモコン信号が割り付けられます。例えば(1)電源スイッチ(2)チャンネルアップ(3)チャンネルダウン(4)音量アップ(5)音量ダウンのように割り当てます。異なる機器のリモコン信号の混在もできます。設定は電源を切っても保持されます。
(注)リモコン信号の解析にはTOMCATさんが公開しているPICマルチメーカー対応赤外線リモコンコード解析器を自分なりにアレンジして製作したものを使いました。各社のリモコン信号のタイミングはこちらをご覧ください。

■ なんでもリモコン(メカニカル接点スイッチ式・タッチ式)

 10台以上製作しましたが、再現性よく作ることができました。1台の製作には3時間程かかります。

 90個のリモコン信号(PIC版は38)が予め登録されていて、プリセット操作でこの中から選択します。現在は主要各社のTV,VTRの電源ON/OFFとCHup/CHdnのリモコン信号を優先して登録しています。

(実装例)
外観写真 内部写真
上の写真は、外部スイッチタイプです。ジェリービーンスイッチなどのメカニカル接点式スイッチ、またはタッチスイッチ電極(写真)を接続して使います。本体の寸法は58mm×18mm×95mm(タカチSW-95)です。

電極一体型の外観写真 電極一体型の内部写真
上の写真は、本体とタッチスイッチ電極を一体にしたオールインワンタイプです。本体にフレキシブルシャフト(2mmIV線30cm~45cm)を付け、その先に電極とリモコン発光部を取り付けてあります。ベッドに寝た状態で口先でタッチ操作をします。クリップ(KOKUYO クリ-43)で本体を固定できるようになっていて、ベッドのフレームやブックスタンドに固定します。必要に応じて、リレー接点出力にチャイムなどを接続できます(写真はオーム電機OCS-6)。接点出力(チャイム)は、予め登録した最後の信号を選択した時にオンになります。

(回路図)
回路図

(プログラム)...avrtx.asm,avrtab.asm,avrtxlib.asm,avrrxlib.asm,avrtxset.asm,avrlib.asm,avrlib.inc

■ なんでもリモコン(高感度版, タッチ式)

 タッチスイッチは身体が商用AC電源から受ける誘導電圧を検知する仕組みになっているので、誘導電圧が小さい場合は、うまく動作しないことがあります。そのような時は「高感度版」をお試しください。「高感度版」は弘前近郊の入所施設のMさんを対象に作ったもので、2001年の暮にようやく利用できるようになりました。下でご紹介する「どこでもスイッチ」と組み合わせて使っています。

 なお、高感度版はメカニカル接点スイッチでは利用できず、タッチスイッチ専用となります。

(回路図)
高感度版の回路図

(プログラム)...前出のものと同じです。

■ なんでもリモコン(高出力版)

 リモコン信号が十分届かない方のために高出力版を作りました。隣町の在宅のYさんを対象に作ったもので、隣室にある斜め向きのTVをリモコン操作できます。

(実装例)
高出力版の内部写真

(回路図)
高出力版の回路図

(プログラム)...前出のものと同じです。

■ 使用例(河原優美子氏による)

(施設のFさん 2000~)
 大型の洗濯バサミを熱可塑性樹脂で加工し、電磁ガードの銅板を張り付けて作ったタッチ式の電極を使っています。また、施設の職員が誰でも簡単に装着できるように説明書も作りました。

タッチスイッチの装着例スイッチ取りつけ方法の説明書

(施設のTさん 2001~)
 口先のタッチで操作するセンサ一体型のなんでもリモコンを使っています。不随意運動があるので、スキャンの時間を1.5秒にしています。

スイッチ一体型リモコンの使用例

(施設のIさん 2002~)
 左手指のわずかな対立運動が可能なので、市販のスペックスイッチを利用してセンサ分離型のなんでもリモコンを使っています。現在、たくさんの機器(吸引器、酸素濃縮器、タッチコールなど)に囲まれているので、なんでもリモコン本体を置く位置が難しく、ベッドを上げると、リモコンセンサがさえぎられるのが難点です。

スイッチ分離型リモコンの使用例

(在宅のYさん 2002~2004)
 隣室からリモコン操作したいとのことで、高出力のなんでもリモコンにしました。大型の洗濯バサミに市販のスぺックスイッチを付けて装着しやすくしています。

SW使用例なんでもリモコンとスイッチ

(施設のKさん 2007~)
 頭を持ち上げて、唇で操作しています。リモコン信号は新しいデジタルTVにも対応しました。ブザー音を大きくしたいとのことで、ケースの外側に付けました。

SW使用例

(施設のKさん 2002~)
(在宅のSさん 2001~2002)
(療養所のNさん 2000~2001)
 なんでもリモコンの第1号ユーザで、Nさんのおかげで今日のなんでもリモコンがあります。
(療養所のIさん 2000~)
 なんでもリモコンにチャイムを追加して使っています。
(療養所のNさん 2000~)
 不随意運動があり、市販のジェリービーンスイッチで使用。
(療養所のNさん 2000~)

■ なんでもリモコン(チルト式, PIC版)

 下の写真のように、指にセンサを取り付け、指を曲げるとスイッチが入るようにしたものです。重力加速度の変化を検知しているので、水平方向に指を曲げても動作しない点に注意が必要です。装着の容易さが特徴ですが、まだ利用実績はありません。

(実装例)
チルト式なんでもリモコン

(回路図)
チルト式の回路図

(プログラム)
PIC1:pictx.asm,pictab.asm,pictxlib.asm,picrxlib.asm,pictxset.asm,piclib.asm
PIC2:tiltsw.asm, mathlib.asm, piclib.asm

■ デジタルカメラもリモコン

 かつて、カシオのQV-10は外部からカメラ機能を制御できたようですが、今はもうそのようなカメラは無く、困っている人も多いようです。

 オリンパスではデジタルカメラ用のリモコンRM-1を販売(または標準添付)していて、E-100RS/C-2100UltraZoom/C-3040ZOOM/C-3030ZOOM/C-2020ZOOM/C-2000ZOOM/C-2500L/E-10などの機種で利用できるようです。「なんでもリモコン」でできるか試してみたら、OKでした。

 リモコン操作できるのは、撮影時にはシャッター操作とズーム(Tele/Wide)、再生時にはインデックス再生/クローズアップ再生とコマ送り(+/-)です。リモコン撮影する前に、カメラ本体を操作する必要がありますから、「なんでも」リモコン操作ができるわけではありませんからご注意ください。

 以下は久美子さんがC-2500Lで実際にリモコン撮影した写真です。

リモコン撮影の操作風景

(参考資料)

[1] 小山智史・小関敦・佐藤勇・河原優美子: "重度肢体不自由者用小型赤外線リモコン装置の開発と利用", 弘前大学教育学部紀要, No95, pp.137-143, 2006.
koyama@hirosaki-u.ac.jp