我々が生活の中で利用する様々な家電製品、機械はPIC等のマイコンを用いた制御機器で動かされている。工業高校においても、PICを用いた制御実習が盛んに行われているが、マイコンの仕様や電子素子についてなど初めの難易度が高く、生徒・教師に対する負担が大きい。そこで近年注目されている、Arduinoに着目し、新たな制御実習として実習ボードとテキストを開発することにした。またPICやArduino、その他のマイコン/ボード(PICSYS/Gainer/JA制御ヒダピオシステムなど)を比較検討した。
Arduino は自作も可能だが、多くの既製品が販売されている。プログラムも分かり易く、マイコンを扱ったことのない教員でも、負担が少なく扱えるのはArduino であると感じた。本研究で開発した実習ボードである実習Shield を用意することで電子技術を気にすることなく、実習を行うことができる。電子技術を身につけたい場合はブレッドボードを利用する方法や、さらにマイコン専門性を上げたい場合はHIDaspx+Arduino IDEという利用方法もある。このように生徒に身につけさせたい知識・技能を、プログラミング技術や電子技術など絞り込み、利用方法を選択できるのがArduinoの利点であると分かった。生徒・教師ともに双方のレベルに合わせて実習を行うことが出来るArduinoを利用する方法は、工業高校の実習において有効であると考えられる。またマイコン制御だけにとらわれず、フィジカル・コンピューティングという視点でArduinoを利用することも可能だ。これまでは別々の機器でマイコン制御(スタンドアローン)とパソコン制御を行っていたため、覚えることも準備も倍必要だった。Arduinoはスタンドアローンでもパソコン制御でも利用することができる。Arduinoを用いることで、より負担が少なく分かり易い実習を行える可能性があると分かった。